日清製粉ウェルナは8月3日、23年秋の新製品を発表した。家庭用と業務用製品から計46品が新登場した。新製品の開発方針は本格、簡便、健康、環境をテーマに、それらによる付加価値化を掲げた。特に重点テーマとして「業務用市場の人手不足解決」「2024年問題の解決」「新たな価値の創造」「青の洞窟の進化」を例示している。
業務用製品では早ゆでスパゲティやIQF(バラ凍結)パスタシリーズ、自然解凍ミニパンケーキのほか、冷凍自販機用トレイ・フォーク付き冷凍パスタを本格発売。「トレイ・フォーク付き冷凍パスタ」は10月から「マ・マー 冷凍自販機導入応援プラン」を展開し、従業員の食事提供に悩む企業向けに製品と備品一式をセットにした提案を実施すると発表した。また今秋にも同社としては初となる業務用製品のTVCMを放映することも明らかになった。
家庭用では常温、冷凍とも消費を底上げする新商品を上市し新たな価値を創造する。さらにプレミアムブランド「青の洞窟」と「ディ・チェコ」のダブルブランドを訴求し、プレミアムイタリアン市場を活性化。「青の洞窟」は継続的な新製品投入と広告宣伝の実施に努め、ブランドの一層の定着を図る。
常温製品の「焼きチキ」は、油の使用量を減らしたフライパンで焼けるから揚げ粉。食油価格の高騰や処理の手間といった課題を受けて投入した。「青の洞窟」では「アラビアータ」を刷新したほか、新製品「トリュフ香るきのこのボロネーゼ」と「Piccolinoシリーズ魚介の旨味広がるアラビアータ」を加えた。
冷凍食品では本格パスタシリーズの「THE PASTA Specialite」で「3種のチーズと北海道産生クリームの濃厚カルボナーラ」を投入。好きなパスタメニュー3位のカルボナーラでこだわりの味わいを追求した。「青の洞窟」でも最需要期である12月を狙い「焼いたチーズが香ばしい濃厚ラザニア」を発売する。一方、「2024年問題」について同社では冷凍食品のトラック輸送を従来のバラ積みからパレット積みに変更。製品サイズと段ボールサイズを見直したことで、1パレット当たりの積載量を1.5倍にし、プラスチック使用量の削減や段ボールの体積・重量の削減などを実現したことも報告した。
新製品発表会で岩橋恭彦社長は「当社製品の物流は、常温ではF-Lineに参画しており、共同配送を進めている。F-Lineでは北海道の物流拠点を一つにするという施策を発表しており、他社との共同輸送の事例も紹介されている。引き続き各社共同の物流施策により、コスト増やドライバー不足に対応する考えだ。冷凍食品は冷食24年物流問題への対応をテーマに、100品で製品サイズを見直す。小さくすることで物流効率と環境対応性を向上させる」と取り組みを説明した。
家庭用常温製品は8月21日、家庭用冷凍食品は9月1日に全国発売。