コカ・コーラがオーツミルク全国展開 大手コンビニを主要拠点に発信強化 独自手法でトライアル促す大規模サンプリングも実施

 コカ・コーラシステムは、オーツミルクブランド「おいしいオーツ麦ミルク by GO:GOOD」を9月26日から全国展開して大手コンビニを主要拠点に発信強化している。

 同ブランドは、昨年3月に立ち上げられ、導入時に販売チャネルを関東中部エリアに絞り込むなどテストマーケティングの位置づけで展開されてきた。

 「コカ・コーラの強みを活かしてどのようにしたら市場を伸ばしていけるかを念頭に、様々な販売チャネルの反応をみながら模索して進めてきた」と日本コカ・コーラの高木正子マーケティング本部ニュートリションカテゴリーシニアマネジャーは振り返る。

 発売開始から1年半が経ち辿り着いたチャネル政策が、大手コンビニからのアプローチーとなる。

日本コカ・コーラの高木正子マーケティング本部ニュートリションカテゴリーシニアマネジャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日本コカ・コーラの高木正子マーケティング本部ニュートリションカテゴリーシニアマネジャー

 「コンビニチャネルへの導入はTVCMと同レベルの認知獲得効果があるとのデータもあり、波及効果が見込める。一度トライアルしていただければ、おいしいのでリピートしていただける。まずはコンビニのカスタマーでしっかり実績をつくりながら認知とトライアルを獲得し、それをベースに広げていく」との考えを明らかにする。

 その起爆剤として、11月からコカ・コーラ独自のプロモーション手法による大規模サンプリングを展開し、これをコンビニでの展開と組み合わせてトライアル促進を加速していく。

 「より幅広い消費者に新しいカテゴリーにトライアルしていただけるようなプロモーションを計画している」という。

 トライアルの好例としては、8月と9月に実施した大手ディスカウントストアの試飲サンプリングを挙げる。
 「サンプリングした過去のコカ・コーラ社製品に比べてケタ違いにたくさん売れた。他のコカ・コーラ社製品よりもハードルは高いが、試飲ができたときの効果が高い」とみている。

 全国展開にともない、リニューアルを実施しおいしさに磨きをかけた。

 味わいは、従来追求してきたクリーミなおいしさを変更し、よりすっきりした飲み口を意識して改良した。
 「植物性飲料が、牛乳と比べて軽い感じで飲めてカラダの中からキレイになるイメージで選択されていることを考え、さらに飲みやすくすっきりした飲み口に変更した」と説明する。

 ブランド名も従来の「GO:GOOD おいしいオーツ麦ミルク」から「おいしいオーツ麦ミルク by GO:GOOD」に変更し、新パッケージデザインを含めおいしさを前面に押し出している。

 ラインアップはトライアル獲得に集中するため1Lサイズの展開を止めるなど絞り込みリニューアルした「すっきりプレーン」(200ml)と「オーツラテ」(同)を9月26日から発売している。

 「すっきりプレーン」は、発酵性植物繊維を新たに使用しパッケージ裏面では1日不足分の食物繊維を訴求している。食物繊維は200mlあたり3g含まれている。
 ただし食物繊維は強調せずナマケモノをデザインしたパッケージを踏襲。「植物性飲料を飲まれていない方に、生活のどのシーンに取り入れるべきかを親近感を持って感じてもらうためのコミュニケーションをパッケージの表面で行っている」。

 飲むべき理由を伝えるため想定ターゲット層も変更。

 従来はファンションなどに関心を寄せる20代女性をメインに据えていたが、今回は30~40代男女で健康が気になりだす層とした。
 「頑張って健康行動に取り組んでいる方ではなく、ちょっと気になり出した層を対象に、コーヒータイムや朝、小腹満たし時に飲んでいただけるように提案していく」。

 フレーバー展開も、市場でみられる栄養成分を加えた商品とは一線を画して、コカ・コーラ社が強みとする味づくりを追求。「飲み物としておいしいことが一番大事で、おいしさで入っていただきリピートしていただくことで差別化できると考えている」。

 この考えのもと「オーツラテ」はコーヒーに合うものとして小腹みたしのシーンなどに向けて訴求していく。

 コミュニケ―ションは、ナマケモノのキャラクターやインフルエンサーを活用してSNSでの発信を強化していく。