外食、ホテル、レストラン、給食などへの卸売を行う外商事業とC&Cのアミカ事業を両輪に、中部エリアを代表する業務用食品商社へと成長を遂げてきた大光(岐阜県大垣市)。昨年来、コロナ禍の影響により外商事業がダメージを受けているが、その一方でアミカ事業が巣ごもり需要を取り込んで実店舗・ネットショップともに好調に推移。売上げ・利益を支えている。
今期(21年5月期)は、第3四半期を終えてほぼ予定通りの進捗。外商事業の売上げは前年同期比23.6%減だった。新規得意先の開拓や既存得意先との取引深耕、コロナ禍の影響が少ない給食、中食、病院などの業態への販売に注力。居酒屋・ホテルなど外食業態の既存得意先の落ち込み分をカバーしてきた。また、物流体制や諸コストの見直しによる利益改善にも取り組んでいる。
「外商事業の3月は、単月実績で同2.8%減となった。新型コロナの感染再拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出などで、第4四半期は想定を超えて厳しい状況になってきた。それでも、コロナ禍もいつかは収束する。当社としては、その時にしっかりと利益を出せる体制であるよう、今から準備を進めている」(金森武社長、以下同)とする。
一方、アミカ事業の売上げは、第3四半期までで同2.3%増。「中小外食事業者の利用が減ったものの、巣ごもり消費の高まりで一般消費者の来店が増加し、定着してきている。今後、業務用のお客さまが戻ってくれば、アミカ事業に関しては、一般のお客さまと業務用のお客さまの両輪でさらなる成長が期待できる」とみている。
ここ最近は、地元テレビ局の情報番組などで紹介される機会も増えた。「(アミカの)プロ仕様、業務用ニーズに対応した商品のこだわりが、一般のお客さまにも受けている。量販店には売っていない商品は見るだけでも楽しい。価格や味・品質にも高い評価をいただいている」と、新たなファン層をつかんだポイントを分析する。
店舗展開面では、昨年11月に長野県下1号店となる「飯田店」をオープン。今後についても、「引き続き地元中部エリアのドミナント深耕と、既存エリアの延長線上からの新規エリアへの進出という2ラインでの出店を進めていく」構えだ。
来期については、「コロナ禍の収束を予想することは困難だが、ワクチン接種が進むことで外食産業を取り巻く環境も徐々に回復していくと予想している」「外商事業に関しては、ウイズコロナ、アフターコロナを見据えて外食、中食、給食、病院や老健など、さまざまな業態に対する営業活動に注力していく。アミカ事業は、業者と一般のそれぞれのお客さまにさらに満足いただける店舗運営に取り組む。計画的に新規出店も進めていく。本当の勝負は6月以降。より上を目指していきたい」。