キリンビバレッジは「生茶 熟成」を10月13日から新発売し、スタンダードの緑茶飲料・濃い系の緑茶飲料に次ぐ新たな選択肢として香りとうまみにこだわった緑茶飲料を提案する。
10月6日、新商品発表会に登壇したマーケティング部ブランド担当の山中進主務は「『生茶』本体、『生茶 ほうじ煎茶』、そして新商品の『生茶 熟成』が大きな3本柱になるようにしていきたい」と力を込める。
背景には、ボリュームの大きいスタンダード緑茶飲料で離脱が進んでいることがある。
同社調べによると、無糖茶飲料に対するニーズは「飲みやすさ」「健康」「味や香り」の3つに大別され、最も規模の大きい「飲みやすさ」は代替がききやすく、マイボトルなどの清涼飲料外にも流出している。
「スタンダード緑茶飲料からの離脱理由を調べたところ、コスパ意識もあるものの、最も大きかったのは味や香りへの不満だった。離脱層の受け皿の充実のために、新しいおいしさを提案し『これならおいしいから飲みたい』と思っていただきたい」と説明する。

新しいおいしさとして、スタンダード緑茶飲料でも濃い系の緑茶飲料でもない、茶葉のおいしさが引き出された緑茶が求められていると推測し新商品を開発した。
マーケティング部ブランド担当の齊藤裕史主任は「緑茶飲料に対して飲みやすさよりも味や香りを求めるお客様にとって、既存の濃い系の緑茶あ飲料は苦渋みが強く、飲用頻度が上がらないということが分かってきた」と述べる。
「生茶 熟成」の原材料には新たに「寝かせ仕込み茶葉」を一部使用し、緑茶の深いコクやうまみを強化した。
「寝かせ仕込み茶葉」とは、茶葉の火入れやカットなどの仕上げ工程の後、半年から2年にわたって低温保管したもの。これに伴い、開発期間には2年半を要した。
商品開発研究所飲料開発担当の和田宏美氏は「摘みたてのお茶は青い爽やかな香りがある一方、『寝かせ仕込み茶葉』はまろやかさやコク感が強いのが特徴。安定供給のために、寝かせる時間には幅を持たせ、ブレンドして均一になるよう味わいを調整している」と解説する。
こうした新しいおいしさを表現するため、商品名に「熟成」の言葉を用いた。
「味や香りへの未充足ニーズを直線的に捉えられる言葉を検討した結果、熟成というコンセプトにたどり着いた。お客様にお聞きしたところ、熟成という言葉にはうま味やコクが深くなるイメージや、時間や手間暇をかけておいしくなるイメージがあった。それと同時に、既存の濃い系の緑茶とは違う新しいおいしさを直感的に期待していただけると分かった」と山中氏は語る。
パッケージデザインは緑茶市場で珍しい濃紺をベースにし、「熟成」の文字や金色の雫のアイコンで新しいおいしさを表現。
今後は交通広告やデジタル広告で、熟成というコンセプトと合わせて商品の認知獲得を目指す。濃い系の緑茶飲料とは異なる味や香りを伝えるべく、店頭での試飲も予定する。

「生茶」ブランド全体でも、ユーザーの細分化されたニーズに応えるべく商品を強化。
「健康」ニーズに対応する商品としては、既存の「生茶 おいしいカフェインゼロ」との差し替えで、「生茶 カフェインフリー」を10月16日に発売する。
齊藤氏は「パッケージ、中味、容器の全てを刷新した。『おいしいカフェインゼロ』という名称では、カフェインゼロに興味のあるお客様にしかアプローチできず、例えば低カフェインに興味があるようなお客様には見つけてもらいにくかった。商品名を変更するとともに、パッケージも情緒的で開放的なデザインを採用し、より広いお客様を獲得していく」と説明する。
「味・香り」ニーズに対応する緑茶以外の製品としては、「生茶 ほうじ煎茶」の中味を刷新し10月16日に発売。
「これまでほうじ茶にあった『ホットを家で飲む』というイメージとは異なる、すっきり飲みやすい軽やかなお茶としてお客様から好評を得ている。この印象を維持しながら、より軽やかで飲みやすい中味にブラッシュアップした」と述べる。
なお「生茶 リッチ」は9月末をもって出荷を終了した。
