鳥取市の食品卸、德田商店は8月1日付で島根県西部・浜田市の同業、吉寅商店の事業を引き継いだ。德田豪社長が新会社・TK吉寅商店の代表も兼務する。人口減少が著しく、「過疎地が至る所にある」という山陰エリアにおいて、「しっかりとした物流網を構築しなければならない」と強調する德田社長に話を聞いた。
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――事業を引き継いだ経緯を教えてください。
德田 山陰には過疎地が至る所にあり、このままでは荷物が届かなくなる。地場の問屋が力を合わせ、物流網をしっかり構築する必要があると以前から考えていた。
そのような中で、1年ほど前に仲介業者から吉寅商店の話をいただき、前向きに検討したいという思いで幾度となく訪問した。黒川久嗣社長も同じ思いで、実際にどうすれば実現できるかという話し合いをしながら、今年の春ごろ正式に決めた。
吉寅商店には、地域の老舗という確固たる地位がある。德田商店も同じだが、古くから地場の人たちの協力を得ながら長年事業を続けてきた。それだけの存在意義があるので、そこを軽んじてはいけない。
――どのようなメリットが期待できますか。
德田 今後、人口が減り続け、その一方で物流費は上がり、地方にとってはますます厳しい状況になる。吉寅商店は緑ナンバーでも営業しており、しかもその事業は伸長している。
山陰内だけでなく、最近は首都圏への物流網も構築した。物流に関しては各県が同じような悩みを持っているので、力を合わせることで、より効率的な運営が可能になる。
水産については德田商店が持つノウハウを吉寅商店に入れて充実させるとともに、物流網を活用し、鳥取の水産物の販路を島根西部、さらに広島まで拡大することができる。
また、吉寅商店は地域商社として活動してきたので、德田商店がそのやり方を学び、地場の商品をもっと開拓する。NB商品を扱うだけで生き残るのは難しいが、山陰の商材を掘り起こし、それらが地場の小売業でもっと多く扱われるようになれば、地域全体の活性化にもつながる。
――このたび、山陰発の新しいサイトを開設しました。
德田 山陰の良いものを日本全国、さらには世界へ発信しようと新サイト「SAN’IN TABLE」を開いた。まずは水産品と果物からスタートしたが、いずれは食器なども扱い、食卓全体をプロデュースするようなものにしたい。
吉寅商店もオンラインショップで地元商材を販売しているので、コラボレーションも視野に入れている。そのため、サイト名を「SAN’IN(山陰)」とした。
また、德田商店のグループである飲食店「元氣亭」は昨年リニューアルし、売上が順調に伸びている。多店舗展開も視野に入れており、今後は島根にも店を広げたい。
