不二製油は、インドネシア・チラチャップ県で、持続可能なカカオ生産を目指すプロジェクト「SIMPUL KAKAO(シンプルカカオ)」を開始した。
「SIMPUL」はインドネシア語で「結び目」を意味し、同プロジェクトにおける産学官民の共創を表している。インドネシア・チラチャップ県の協力のもと、インドネシア国立大学Universitas Gadjah Mada、PT Riset Perkebunan Nusantara傘下のインドネシアコーヒーカカオ研究所、チラチャップの農家グループGoa Gogor Asri Forest Farmers Groupと連携し、同県における持続可能で高品質なカカオ豆の生産基盤構築を目指す。
ジャワ島中部に位置するチラチャップ県は、カカオ栽培に適した農業気象条件と、特有の芳香性を持つカカオ豆を育む土壌に恵まれており、新たなカカオ生産地としての高い可能性を有している。同地域の農家コミュニティではカカオ栽培への関心が高まっている一方で、栽培管理や発酵に関する知識・技術、必要資材の不足などを背景に、カカオ豆の発酵工程が十分行われておらず、高品質なカカオ豆の安定生産に向けた課題となっている。
SIMPUL KAKAOプロジェクトでは、産学官民の連携による包括的な支援を通じて、チラチャップ県におけるカカオの生産から品質向上までを支えるバリューチェーンの強化を図る。具体的には、優良カカオ種苗の導入、アグロフォレストリーの実践、栽培管理や発酵技術の向上、カカオ農家の自立支援に向けたトレーニングプログラムなどを実施。不二製油は、カカオの品質とサステナビリティを支える技術開発に取り組むとともに、技術面・資金面で支援する。
将来的には産出されるカカオ豆の購買も見据え、持続可能な方法で生産された高品質カカオ豆の供給基盤づくりを通じて、カカオ原料における長期的なサプライチェーンのレジリエンス強化につなげる。
現在、チラチャップの未利用耕作地を対象に、優良品種カカオ苗やシェードツリーの植栽、技術トレーニングの実施が進められており、カカオの生産性と持続可能性を両立する生産景観が形成されつつあるという。
将来の展望として、チラチャップにおけるカカオ豆生産と並行し、現地のカカオ豆を使用したチョコレートを基盤としたアグロツーリズムの推進も構想されており、自然の保全・回復と地域経済の発展を同時に実現するネイチャーポジティブな取り組みとして発展することが期待されている。これら一連の活動は、チラチャップ県政府によって支援されており、引き続き同地域の農業・農村開発戦略と整合した協業を進めていく。
同社では「今後もサステナブルな食の未来の共創に向けて、ステークホルダーとともに自然と共生する社会の実現に貢献していく」とした。
