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亀田製菓、コメ農家支える受け皿づくり 国内加工用米の持続的な調達へ大規模化・効率化を推進

 亀田製菓は、コメ農家を支える受け皿づくりに取り組んでいる。

 新潟県内の持続可能な稲作の実現と国内加工用米の持続的な調達が目的。

 4月23日、取材に応じた五十嵐晃購買部長は「2040年には日本国内で生産されるお米がお米の国内需要を下回ると言われており、そうなった場合、国内加工用米を作っていただけなくなる可能性がある。農家の方が離農しないような受け皿を作っていきたい」と意欲をのぞかせる。

五十嵐晃購買部長
五十嵐晃購買部長

 全国米穀販売事業共済協同組合によると、2040年は2020年との比較で、コメの国内需要は41%減の375万トン、コメ生産者は65%減の30万人程度と推定され2030年代に国内需要量を国産だけでは賄いきれなくなるとの見方を示している。

 亀田製菓は、離農の食い止めに貢献すべく、昨年、地元・新潟のコメ農家と連携し、コメ農家5人との共同出資で新潟県阿賀野市に合同会社ナイスライスファームを設立。設立初年度は、約32ヘクタールの田園に作付けしコメ約145トンを収穫した。

 今年は大規模化と効率化を推し進め、田園を46ヘクタールへと拡大。230トンの収穫を見込む。

 田園拡大にあたっては、農家から農地や農機具などを全てナイスライスファームが借り受け集約化に取り組んでいる。

 「非効率な場所の田んぼを借りてしまうと負担が増えるだけ。そうではなく、歯抜けの場所を借り受けられるように働きかけて集約化していく。農作業についても、個別作業から共同作業に変えていくことで農家の仕事量は相当軽減される。機械も1軒1台ではなく3軒1台になれば資金面でも負担が軽減できる」と語る。

 昨冬には構成員自らの手で畔抜きを行い効率化を推進。

 「例えば20アールの田んぼを耕してから、また次の20アールに取り掛かるのは負担が大きい。昨年は、自前で重機を借りて田んぼと田んぼの間の畔を抜き、20アールと20アールの田んぼをくっつけていった」と振り返る。

 農林水産省の大区画化等加速化支援事業の助成金を活用しながら自前での実施に踏み切ったという。
 集約化することで、ドローンを使い品種ごとに農薬を散布できるような体制を構築していく。

 「『こしひかり』の穂が出たタイミングで一斉に農薬散布(集団防除)してしまうと、まだ穂が出ていない品種にも農薬が撒かれることになる。集約化によって、このエリアには『こしひかり』あるいは『こしいぶき』といった具合に個別に農薬散布ができるため、ドローンを購入して隣の法人と共同で品種別に一斉散布することができるようになった」と力を込める。

 亀田製菓の主な役割は、新品種の開発や基盤構築にある。

 昨年は、新潟県で独自品種となる農研機構が開発した「あきあかね」を一般的な農業手法とされる慣行栽培で40アール作付けした。
 「今年は、慣行栽培を1カ所で実施し、もう1カ所では通常よりも多くの肥料を施す多肥栽培にも取り組み『あきあかね』の研究を深めていく。実証実験用の田んぼは昨年の40アールから1.3ヘクタールへと拡大し、さらなる試験品種の実証試験も行っていく」という。

 現在、生産品種は「こしひかり」「こしいぶき」「あきあかね」「ゆきん子舞」「新之助」「こがねもち」(もち米)「五百万石」(酒米)の7種類に試験品種を加えた8種類。

 農法では、慣行栽培と多肥栽培に加えて、水の張っていない乾いた田んぼに5センチ程度の溝を掘り、その上に窒素分の肥料と稲の種を撒くV溝乾田直播(かんでんちょくは)に取り組んでいる。

 課題は山積みで、その1つに収穫したコメの乾燥と貯蔵を挙げる。

 地元JAでは、大型乾燥機と貯蔵サイロが組み合わさったコメの倉庫であるカントリーエレベーターに入れられる品種は「こしひかり」と「こしいぶき」に限定される。
 そのほかの品種については、各農家が自前の乾燥調製設備を活用して取り組んでいるものの、田園が100ヘクタールに拡大した場合、作期分散を図ると品種によっては乾燥調製設備が足りなくなることは自明の理となる。

 就農者の確保も課題に挙げる。

 「亀田製菓グループの社員がお手伝いに伺うことや、逆に農家方々に農作業のない冬の期間、亀田製菓の工場で働いていただくことも先々考えていかないといけない」との考えを明らかにする。

 目標は、田園規模をメガファームとされる100ヘクタールにしていくこと。

 「全商品は難しいが、1品だけでも地元・阿賀野市の生産者の顔が見える加工用米で作っていきたいということは常々考えている」との青写真を描く。

 ナイスライスファームへの亀田製菓の出資比率は14.3%。収穫されたコメの全量がJA新潟かがやきに販売され、亀田製菓はJAから収穫量の30%分を加工用米として契約・購入している。

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