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乾麺商戦が本格シーズン 猛暑で需要拡大も課題山積

 乾麺市場では、猛暑の常態化やコメ価格高騰を背景とした代替需要を追い風に、今後も需要拡大への期待が高まっている。食品業界全体で猛暑対策への取り組みが進む中、そうめんを中心とした細物商品の提案強化や盛夏向け売場づくりが活発化しており、乾麺は夏場の主力商材として存在感を高めている。

 一方で、需要拡大に対して供給面では課題が多い。手延べそうめん産地では高齢化や後継者不足により生産者数の減少が続いており、生産量は年々縮小傾向にある。各産地は生産期間の延長や生産効率の向上によって供給維持を図るほか、高付加価値の極細麺や小売向け調理麺など需要の高い商品の生産にシフトする動きも進む。

 こうした状況を受け、機械麺メーカーは手延べの空白地を埋めるべく供給体制を強化している。特に夏場に需要が集中するそうめんなどの細物商品を中心に在庫を早期から積み増し、盛夏期の欠品防止に取り組んでいる。うどんの大産地である讃岐でも、近年の細物需要の高まりを背景にそうめん生産を強化する動きがみられる。

 乾麺の足元の販売は比較的順調に推移しているものの、業界関係者が警戒するのは原料・資材コストの上昇だ。輸入小麦の政府売渡価格は今春、6期ぶりに引き上げられ、さらに麺用小麦の主産地であるオーストラリアでは今秋以降の減産見通しが強まっている。そば原料も中国産を中心に需給が逼迫しており、国内産も猛暑の影響で収量低下が見込まれることから高値基調が続く可能性が高い。

 加えて、包装資材の原料となるナフサ不足の影響も深刻化している。乾麺用包材は大幅な値上げが続いており、乾麺を束ねる束帯(結束テープ)のインク調達不足が懸念されている。機械麺メーカー大手では3~4月頃から順次、束帯をロゴ入りから無地の白帯に切り替えている。

 束帯は単なる包装資材ではなく、商品の等級やブランドを識別する役割を担っているため、とりわけ手延べそうめん産地への影響は大きい。「揖保乃糸」などでは帯の色そのものがブランド認知と結び付いており資材不足による影響が懸念されている。三木秀敏・兵庫県手延素麺協同組合理事長は「年内生産分の在庫は確保できているが、来年以降は不透明」と話す。

 さらに中東情勢の長期化は、原材料価格だけでなく物流、エネルギーコストにも波及している。麺の乾燥工程で重油を使用するメーカーにとっては工場稼働コストの上昇が避けられず、今後も収益環境は厳しい状況が続く見通しだ。

 需要拡大への期待が高まる一方で、供給力の維持とコスト上昇への対応が業界全体の大きな課題となっている。乾麺業界は、生産体制の再構築や商品提案の強化を進めながら、新たな市場環境への適応を迫られている。

(6月15日付本紙に「手延べ・乾麺特集」)

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