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サントリー、未来の酒需要創造へ RTDの成長戦略加速 狙うは「ビールしか飲まない人」

 この10年で出荷数量は約2倍に伸長し、2億㌜を突破したとみられる缶チューハイなどのRTD。市場をリードするサントリーでは、酒類の中でも若者に最も親しまれるこのカテゴリーを「未来の酒類人口を支える存在」とみて、成長戦略を加速させる。

ビール・RTD部の中野景介部長
ビール・RTD部の中野景介部長

 「(缶酒の中で)購入率・購入回数が最も多いのがRTDで、若年層ではビールよりも接点が多い。酒離れが言われるなか、お酒の楽しさや豊かさで若い方の需要を創造するのはRTDの仕事であるという使命感を持って取り組んでいる」。同社RTD事業を統括する中野景介部長が説明する。

 缶酒市場全体を上回る成長率をみせるRTDは容量ベースで全体の34%を占め、35年には約4割に達する見通し。同社が戦略方針のひとつに位置付けるのが、狭義ビールユーザーの買い回り促進だ。

 ビール類ユーザーのうちRTDを買わない人は、発泡酒などエコノミービールの約700万人に対し狭義ビールでは約1300万人と推計され、より大きなポテンシャルを秘めているとみる。

 「ビールとRTDがボーダーレス化し、RTDを買い回るビール類ユーザーは直近では73%に。とくにエコノミービールとの買い回りが最大の成長ドライバーとなった」(中野氏)。そこで狭義ビールユーザーを次なるターゲットに据えた。

強みの“原酒ソーダ”広げる

 この層では、RTDに求めるイメージと実際との差が大きいことが分かった。「甘くないのに味わいが楽しめる」「こだわり・本格」「シンプルな素材」といった期待に応えることで、アプローチを強める作戦だ。

 切り口のひとつが、同社が得意とする本格原酒のソーダ割り。トップシェアを握る各種ハイボール缶に加え、ジン市場をけん引する「翠ジンソーダ缶」のラインアップを拡充し、買い回りを促す。

 8月4日に発売する「角ハイボール〈夕どき〉」は、夕方からお酒を気軽に楽しみたいという未充足ニーズに着目。柚子を加えることで、やさしい口当たりのハイボールに仕上げた。「翠ジンソーダ缶」からも限定フレーバーを順次投入する計画。

 さらに、シンプルな素材の魅力でビールユーザーを強力に獲得するのが、果皮でつくったレモンピールサワー「THE PEEL」。今春にALC.7%の新品種を追加したのに続き、7月には初の限定品「ライム香るTHE PEEL」を発売する。

ビールユーザーつかむ「THE PEEL」
ビールユーザーつかむ「THE PEEL」

 今年10月にはビール類の酒税一本化と併せて、これまで据え置かれてきたRTDの酒税率も引き上げられる。それでも酒類の中での相対的な価格優位性は保たれることから、引き続き成長が期待されるカテゴリー。同社では酒税改正のタイミングに合わせて、ビール類ユーザーを狙う新ブランドの投入も計画しているという。

 「-196(イチキューロク)」「こだわり酒場」などの基幹ブランドにも投資を強化。また低度数の「ほろよい」、近年トレンド化の兆しをみせる無炭酸RTD、若者の間でブームのお茶割りも拡充し、未来に向けた若年層の需要創造に取り組む。

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