逆光線(コラム)どこかで、誰かに、見られて...

どこかで、誰かに、見られている

 左斜め前を歩く男性の手から、光るものがヒュッと放たれた。火がついたままの紙巻タバコだ。思わず「あっ」と声が出たが、彼は気に留めることもなく歩き続ける。少し見える横顔は、うっすら赤い。手には紙袋。駅の入口までもう少し。周囲には同じ紙袋を持った人たちの姿がそこかしこに見える。

▼仕事柄、企業や業界団体などの集まりを取材することも少なくない。総会や講演会などの後は懇親会。名刺交換や近況報告、情報交換。アルコールも加わり、各所で会話の花が咲く。宴が終われば、主催者から手土産をもらって散会となる。

▼そう、皆が同じものを持って帰路につく。もし第三者が冒頭のような場面を目撃したらどう思うだろう。誰もが自由に写真や動画を世界中に発信できる現代、あっという間に特定が進む。ましてや、渡された土産物の紙袋に、会場のホテルや主催した企業の名前が入っていたら。

▼これからの時期、食品業界でも企業や小売・卸の取引先会の総会等が集中する。大事な仕事先の名を貶めることがないよう、振る舞いには気をつけたいものだ。

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