逆光線(コラム)当たり前に変わっていく街の風景
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当たり前に変わっていく街の風景

 ピアノ講師の友人がリサイタルを開くというので隣の県のホールまで。企業がメセナの一環で運営している施設で、定員は80人。響きはよく、長椅子が並ぶ礼拝堂のようなスタイルも気に入った。残念ながら30周年を迎える来年で閉館するという。

▼下町にある実家周辺は様変わりし、記憶に残る場所を探すのが難しくなってきた。路地は舗装され、住宅が立ち並ぶ。駅前の猥雑な雰囲気は消え、学生から好まれる街へと変わった。築50年以上の民家を改装したカフェやバーは、洒落た店構えが若者から人気だ。

▼都心の再開発は終わらない。工期は予定より延び、建設費も大幅に超過している。渋谷、港、千代田、中央、新宿、そして池袋。常にどこかで大規模なプロジェクトが進む。事業があらかた完了するのは2040年頃と聞いた。

▼1964年の東京五輪を機に、東京の街から多くの風景が消えた。71年に発売されたはっぴいえんどの「風街ろまん」は東京の原風景が失われることの喪失感をテーマにした作品。盤に針を落とせば、いつでも古き良き場所に連れて行ってくれる。

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