日本アイスクリーム協会 24年度も市場過去最高 支出は1.2万円、5年連続更新

日本アイスクリーム協会は6月10日、都内で第13回定時総会および第50回アイスクリーム類および氷菓公正取引協議会定時委員会を開催した。2024年度の国内アイス市場は6451億円(前年比6.1%増)となり、昨年の6082億円を上回って過去最高を更新した。

家計調査によると、一世帯当たりの年間支出金額も1万2295円(同6.2%増)で、5年連続で1万円を超えた。中島英樹会長(ロッテ社長)は「物価上昇や価格改定があった中でも、消費は堅調に推移した。過去10年で支出は141.1%増と成長しており、“ちょっとした贅沢”や“自分へのご褒美”としてアイスが受け入れられている」と説明。今後も安定供給とともに“おいしさ・楽しさ”の発信に注力する方針を示した。

海外展開への期待も高まっている。懇親会であいさつした農林水産省畜産局牛乳乳製品課の須永新平課長は、「2024年度の輸出額は約91億円(前年比13%増)と拡大している」と報告。国内市場に対し1~2%程度の規模だが、中国・台湾・香港・米国の4地域で輸出の約3分の2を占め、特にアジアでの需要は堅調でさらなる成長が見込まれるとした。「日本は人口減少で市場縮小の圧力がかかるが、アイスのように伸長しているカテゴリーは稀。国内外ともに明るい将来が期待できる」と語った。

日本アイスクリーム産業振興会の桝村聡会長(高砂香料工業社長)は、「近年の成長は魅力ある商品づくりと付加価値の訴求が功を奏した結果。今年も好調なスタートと聞いている。成長軌道にのってさらなる成長を期待したい」とし、乾杯の音頭をとった。