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流通・飲食小売イオン 価格政策を推進し客数増目指す 「トップバリュ」徹底的に強化
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

イオン 価格政策を推進し客数増目指す 「トップバリュ」徹底的に強化

イオンは2025年度(2月期)、節約志向の高まりに応える価格政策をさらに推進し、客数を増やすことでトップライン(=売上高)を引き上げていく方針だ。昨年下期からプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の中でも手ごろな価格の「ベストプライス」を軸にした戦略に注力し手応えを得ている。4月11日に開催した決算説明会の席上、吉田昭夫社長は「生活者は実質賃金の下落で暮らしの負担が増えている。PBを中心にお客様の低価格ニーズや選別消費に応え、トップラインの拡大と粗利益率の向上を両立させていく」などと語った。

■「ベストプライス」けん引し下期好業績

前2月期の連結業績は営業収益6%増(10兆1348億円)、営業利益5%減(2377億円)と増収減益だったが、下期に限ると増収増益で、特に第4四半期の各段階利益は過去最高となった。原動力は「ベストプライス」を中心に据えた価格強化戦略と生産性向上に主眼を置いたコスト構造改革だ。新年度のスタートとなる3月も好業績を維持している。

今期の重点施策について、吉田社長は「トップバリュ」を徹底的に強化していくと説明。原材料高を背景にナショナルブランド(NB)の値上げが続く中、その受け皿ともなって「トップバリュ」は16年から9年連続で拡大し、前期売上は2ケタ増で1・1兆円となった。「世間に独自のブランドとして認識していただける規模に育ってきた。PBと言えば真っ先に想起していただける存在に引き上げたい」と意気込む。

けん引役として「ベストプライス」への期待が大きい。最大の強みであるグループのスケールメリットを生かした原価低減に加え、包材の見直し、生産拠点の変更、配送効率の向上などサプライチェーンのあらゆる部分でコスト削減を追求し、競争力がある低価格設定、増量セール、商品値下げなどを具現化していく。

加えて、吉田社長は「『トップバリュ』はNB(ナショナルブランド)の代替だけでは意味がない。お客様のご要望を反映させたPBならではの商品開発力が非常に重要」であることも強調。「当社のメッセージとしてまずは『ベストプライス』をお客様に認知していただきつつ、多様なターゲット層に新たな価値ある商品を提案していければ、将来的にPBの構成を変えていくポイントにもなり得る」と展望。直近の具体的な事例としてベビーフードやZ世代向けのヒット商品を紹介した。

■まいばす好調、出店加速

成長業態には首都圏の「まいばすけっと」と「ザ・ビッグ」などディスカウントストア(DS)を挙げる。「まいばすけっと」は近さとコンビニに対する価格の安さが強み。前期も増益と安定して利益を創出できるようになってきた。収益向上を背景に出店する際の賃料の許容度が高まってきたこともポイント。店舗数は前期末で1200店超だが、30年までに約2倍の2500店舗、最終的に首都圏で5000店舗体制の構築を目指す。

DSは既存の「ベストプライス」に加え、開発体制を強化し業態専用のPBを拡充。取引先の集約や新プロセスセンターの活用等で原価低減と商品の安定供給も図っていく。

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