サミット 中計を1年延長 臥薪嘗胆で課題やりきる 服部哲也社長が方針

2023年にスタートした中期経営計画「頂(イタダキ)2025」の最終年度を1年延長する。その理由を平易に表現すれば「すべてやりきって終わりたいから」。

24年は飛躍の年=「飛ぶ24(トゥエンティフォー)」と位置付けていたが、結果的に「挑む」と掲げた2023年に引き続き、チャレンジの年となった。むしろ23年よりも大きく挑戦した年だった。

24年の挑戦には、AI自動発注システムなどDXの導入や物流の効率化のみならず、何十年も手つかずだった青果・精肉の仕入れや値決め方法の変更といったすぐには結果の出にくいものまで含まれている。試行錯誤を重ねたことで現在は軌道に乗りつつあるが、実を結ぶのはこれからだ。

そこで25年を「飛ぶ」、26年を「超える」と新たに位置付ける。ただし、「頂2025」という名前は変えない。臥薪嘗胆ではないけれど、経営者として中計を延長したことを忘れずにいようという考えからだ。

そして定量目標は変えず、25年度に売上高3710億円と当期純利益83億円の達成を目指す。

中計の一丁目一番地に位置付けているのは「マーチャンダイジングの強化」。こちらは昨年、PBの「サミットオリジナル」「素材そのまま」をローンチできた。

「NBの代替となる低価格品」ではなく、「お客様の関心と満足を満たすもの」や「NBでは実現しにくい商品」を目指すことで、バイヤーたちも楽しみながら開発できているようだ。今年も引き続き、より良い商品の開発に努める。

当社は「生きる糧を分かち合うお店」づくりをミッションに掲げているが、昨年はその点でも手応えがあった。

これは23年10月にオープンした新大塚千川通り店のエピソードで、同店は店長を筆頭に、ただ商品を売るだけではなく「生きる糧」を分かち合うことに情熱を持って取り組んでいる。

あるモニター連絡会でのこと。参加されたお客様が「いろいろな工夫やイベントがあってとても楽しい。でも、頑張りすぎて大変じゃないですか」と気遣ってくださった。それに対して店長は「始めるのも止めるのも自分たちで判断しますので、ご心配ありません」と返答した。

このミッションを掲げた当初は、懐疑的だったり売上につながるのか疑問視したりするスタッフもいた。しかし、お客様が増えたり競合店ができても客数が減らなかったりすることが、そうした取り組みに起因していると実感するようになっている。店長の言葉はそのことを象徴するような言葉だった。

18年度と現在で既存店の客数を比較すると数%伸びている。価格や品揃えよりも、そうした日々の積み重ねが結果に表れたのだと捉えている。本部が考えたことを各店で実行するのがスーパーマーケットの一般的な運営のあり方だが、当社は違う。ある店舗で成功したイベントやアイデアも、水平展開するのではなく共有に留め各店各様に工夫をこらしている。

働く一人ひとりの意欲と能力を高め、それが売上と利益を生み出し、再び意欲や能力の開発につながる。そうした循環がサミットのブランドになるのだと考えている。

株式会社アピ 植物性素材 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)