明治は食×サービスの新たな挑戦で、未病予防の新市場開拓を目指す。健康指標を可視化する明治「見える化」サービスを開始。この第1弾として9月に唾液から免疫状態を把握する「免疫チェック」を開始。第2弾として12月12日から腸内細菌を測定し、腸内タイプに応じたおすすめ商品を提供する「インナーガーデン」のサービスを開始する。
川端善也価値創造戦略本部戦略推進部コンテンツ開発Gグループ長は、「食品と情報を掛け合わせて、明治らしいソリューションを提供し、未病予防領域の新たな市場をつくる」と意欲をみせる。
12月12日に開始する新サービス「インナーガーデン」は、ECサイトで注文した検査キットで採便しポストに投函するだけで、簡単に腸内タイプを知ることができる。経営企画本部イノベーション事業戦略部の土師智寿専任課長は「3年かけてローンチを目指してきた。食事や運動、睡眠と同じように、自身の腸内環境を知って育てる新たな健康習慣を提供したい」と述べる。
明治が検査を委託するH.Uグループ中央研究所は、検査キットをもとに顧客の腸内フローラ検査を実施し、代表的な5菌属(バクテロイデス、ルミノコッカス、フィーカリバクテリウム、プレボテラ、ビフィドバクテリウム)の量とバランスを測定する。腸内タイプに合わせて、短鎖脂肪酸を産生しやすい素材(全5種)を選別し、最適な素材を配合したオリジナルココア飲料が届く流れだ。
明治は専用サイトで検査結果に基づく生活習慣アドバイスを行い、継続的に健康生活をサポートする。
2回目以降は商品のみ(約1か月分税込6000円、定期購入は5400円)も購入可能。今後は食事では取ることが難しい栄養素を中心に商品の種類を増やすとともに、より低価格帯での提供を目指す。
同社によれば、腸内環境市場は約1500億円規模で、今後さらなる拡大が見込まれる。ヒトの体内には約1000種類の腸内細菌が存在し、うち100種類ほどが腸内細菌叢(腸内フローラ)を形成する。その構成は個人で異なることから腸内タイプの把握とそのタイプの栄養源(素材)の摂取が重要という。
腸内細菌の測定はH.Uグループ中央研究所、デジタルサービスの開発・運用はWellnize、腸内環境に関する研究開発支援はメタジェンが行う。