日本で唯一の通販・宅配食品に特化した「通販食品展示商談会」(10月22、23日開催)には、ふだん店頭では見られないオリジナル商品が多数出展され、来場した通販バイヤーなど通販関係者の目を奪った。ご当地食品やギフト商品など瓶・缶詰、飲料、レトルト食品、菓子、清酒、サプリメントなどオンリーワンの自慢の逸品が並び、試飲・試食を通して来場者にアピールした。
若者のお酒離れが進む中、初出展の富士錦酒造(静岡県富士宮市)は、機能性表示食品の富士山甘酒(ノンアルコール)を開発。血圧・血糖値・中性脂肪のトリプルの機能を表示して、新たな需要を目指すと言う。地元宮城県を中心に各種納豆を販売している川口納豆(宮城県栗原市)は、フリーズドライ納豆の「川口納豆せんべい」「川口納豆ふりかけ」を展示。スーパーや道の駅、農産物直売所で販売してきたが、今後は関東での販売にも意欲を示している。塩分が含まれていないのでワンちゃんでも安心して食べられる。
金井農園(群馬県沼田市)が販売するスーパープレミアム米の「小松姫」は、お米のコンクールでも毎回金賞を受賞する国産ブランド米。小松姫は戦国の武将、本多忠勝の娘で、男勝りとして有名な女性。自社通販や富裕層向けのカタログギフトで販売しており、「値段で勝負したら新潟のお米には勝てないが、おいしさでは絶対に負けない」と自信満々。アグリユナイテッド(愛知県豊田市)の「桃太郎ゴールド」(栽培は大橋園芸、商標は金のトマト)は珍しい黄金色のトマト。フルーティな香りで酸味が少なく、マイルドな味わい。生食とジュースを展開しており、モニター調査ではシミが消え、肌の状態が良くなったなどの声も出ているという。
梅干し通販の梅光園ワールド商会(和歌山県和歌山市)の国元光枝社長は、鎧姿がトレードマーク。今回は世界発の冷凍お寿司「ぶんだら巻き寿司」を来場者に振る舞った。喜八食品(富山県南砺市)は、若手社員が開発した「喜八コーラ」(クラフトコーラシロップ)を出展。富山の薬を意識した漢方系の素材を使ったリラックス(ローズマリーなど)とエナジー(生姜など)の2種類を用意。
防災食品、備蓄食品は通販でも売られるケースが増えているため、同会場では「防災グッズEXPO」も同時開催。レスキューキッチンカーで全国の被災地を回り、被災者を支援している一般社団法人日本食育HEDカレッジ(東京都港区赤坂)は、能登半島地震の被災地を支援するため、今回は「能登の塩」「能登の塩サイダー飴」「缶詰パン」を出展。「レスキューキッチンカーにはフードレスキューと地域レスキューの2つの役割がある」と中村詩織代表。
生産者支援の取り組みとして、傷ついた野菜を買い取ることでフードロスの削減に貢献。被災地で炊き出しを行うことで地域を支援している。「キッチンカーは、いざという時には防災拠点にもなる」とし、常時、防災食やアルファ米、ミネラル水、トイレ、テントなどを搭載。「先日はキッチンカーの啓発活動として、都内でトマト缶を使った料理を振る舞い、たくさんの人に喜ばれた」と言う。こまち食品工業(秋田県山本郡三種町)の「こまちがゆ」は、恵まれた秋田の自然に育まれたあきたこまちのおかゆの缶詰。おかゆや梅干とのアソート品のほか、OEMも展開。近年は地震が多発していることから備蓄食品としてもおかゆが好調に売れているという。