8.9 C
Tokyo
8.7 C
Osaka
2025 / 12 / 05 金曜日
ログイン
English
流通・飲食小売ヤオコー新中計 価値創出に集中 デジタル活用で作業負荷軽減

ヤオコー新中計 価値創出に集中 デジタル活用で作業負荷軽減

ヤオコーは27年3月期を最終年度とするグループ中期経営計画に「シン・ヤオコー(昭和モデルから令和モデルへの構造転換)」を掲げる。

5月13日決算説明会に臨んだ川野澄人社長は「これからはいよいよ強い者同士の戦いになってくる。非常に尖った強みを持つ競合に対して、いかにお客様の支持を高められるかが大事。DgSやECなど他業種も着実に伸びているなか、同業以外との競争も意識していく」と語る。

強みである自社物流網やデリカ生鮮センターの活用とともに、フルセルフレジやAI自動発注などデジタル技術を強化し、価値を生み出す人材がより成果を発揮できる環境づくりにも注力する。

27年3月期を最終年度とするグループ新中計では、こうした取り組みのもと、1店舗当たり平均売上高30億円を目指す。

前中計については「この3か年は売上高、経常利益とも計画を大きく上回る実績を作ることができた。一方で、作業軽減が十分に進まず一人一人の負荷が増してしまい、働きやすさの面で課題が残った」と振り返る。

足もとの市場環境は「23年度既存店売上高の月別推移では、日本スーパーマーケット協会の平均値に対してヤオコーが毎月3~4ポイント上回っている。1店舗当たりの平均売上高は28億円を超えている。エイヴイやディスカウントストアの競合店に比べればまだまだ低いが、同じ業態の中では伸びてきている」との見方を示す。

ヤオコーの強みについては、「なんといっても人にある。やる気に溢れ技術を持ったメンバーがヤオコーの力のもとになり、販売、開発、デリカ生鮮センターでの製造ノウハウなどが価値を生み出す資源になっている」と述べる。

今後は価値を生み出すことに人手を集中させるべく、デジタル技術の活用を加速する。

24年3月末時点で24店舗に導入したフルセルフレジの導入をさらに拡大し待ち時間短縮につなげる。自社決済アプリ「ヤオコーPay」は、6月頃からアプリだけでなく物理カードでも順次支払いできるようにすることでスマートフォン操作が苦手なシニア層にも働きかける。

昨年2月に新設した草加物流センターでは、初の自社WMS(倉庫管理システム)や店舗および構内作業軽減のための順立てシャトル、GTPシャトルを導入。順次管轄店舗を拡大し安定稼働を図る。

店舗を超えた商品・サービス提供も力を入れる。

「DgSや大手ECサイトも伸びているなか、お店だけで価値を提供するモデルから『サプライチェーン全体で価値を生み出すモデル』に変えていく。ECなど店の外でも商品やサービスを提供していく」と方針を述べる。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。