10.5 C
Tokyo
10.9 C
Osaka
2025 / 12 / 30 火曜日
ログイン
English
加工食品乳製品・アイスクリーム雪印メグミルク イノベーションセンター 新たな乳の価値を「共創」 技術融合する開発拠点公開

雪印メグミルク イノベーションセンター 新たな乳の価値を「共創」 技術融合する開発拠点公開

酪農乳業専門紙誌が加盟する酪農乳業ペンクラブは4月12日、昨年1月に稼働開始した「雪印メグミルク イノベーションセンター」(埼玉県川越市)を視察した。「共創」をテーマに、研究員同士の技術やアイデアが行き交うイノベーション拠点として機能する同センターでは今後、独自の機能素材やおいしさの研究とともに、骨の健康と糖化(AGEs)成分の関係など新たな乳の可能性に向けた研究にも力を入れる。

同センターは、雪印メグミルク最大の研究開発拠点「ミルクサイエンス研究所」敷地内に創設された。「カテゴリーごとの縦割り開発ではなく、各分野の強みを生かして研究員同士がアイデアを共有し、化学反応を起こしやすい設計にした」(雪印メグミルク)というように、それまで敷地内に点在していた市乳・乳食品・ニュートリションの商品開発施設を1棟に集約した。

「共創エリア」の一部
「共創エリア」の一部

センター内部は「研究エリア」「共創エリア」で構成される。「研究エリア」は柱の少ない大空間設計で、各分野で使われる技術や設備を把握しやすく、専門の垣根を越えたアイデア共有が可能。「共創エリア」は1~3階まで吹抜けの空間に、研究エリアを見渡すワークスペースや、食を起点に交流を図るダイニングなどを設け、自由な意見交換や情報共有を促す。

研究開発部研究開発グループの岡崎正典課長は「研究開発のスピードは、センターの環境も大きく貢献していると思う。植物性ブランド『Plant Label』は開発が決まってから1年半足らずで上市できた」と述べる。

今後は、「MBP」「ガセリ菌SP株」「乳酸菌ヘルベ」など独自素材の研究や開発ほか、弘前大学のビッグデータを活用した研究にも注力する。

なかでも「骨の健康と糖化(AGEs)成分の関係」「糖化成分と骨の強度」といった研究を主眼に置く。

「簡易的に糖化度を調べる機械を導入し、糖化と健康の相関など探っていく。骨の内側の骨質には多くのコラーゲンがあるが、ここに糖化成分が蓄積すると骨が脆くなる報告がある。糖化は糖尿病など色々なところに影響している可能性があり、深掘りしていく」と力を込める。

「ミルクサイエンス研究所」の前身となる同社研究所は1973年に川越市に移転。01年の雪印乳業の分社化に伴い、各事業の開発場所が別々の建屋に分かれたことで、開発員同士の交流低下や技術の分断が長年課題となっていた。築50年が経過しており老朽化も深刻なものとなったことから、新たな研究の場として同センターの建設に至った。

関連記事

インタビュー特集

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。