平和堂 30~40代の獲得に力 平松社長「200億円のチャンス」

平和堂は2026年度まで3か年の第5次中期経営計画を発表した。これまで社内目標としての中計はあったが、社外に公表するのは今回が初めてとなる。

平松正嗣社長は会見で

①子育て世代のニーズ対応による顧客支持の獲得
②戦略をベースとしたHOP経済圏の拡大
③生産性改善を含むコスト構造改革の推進

という3つの重点戦略を挙げた。

前2月期は既存店売上高(前年比102.8%)、客数(同101%)とも伸長したものの、①に挙げる子育て世代(30、40代)の来店に関しては「不十分だと改めて認識した」(平松社長)と説明。その世代がドラッグストアやDSに流れている現状を指摘し、「これまでも購入頻度の高い商品を中心に、部分的に価格対応は行ってきた。今後は会社全体としてキーバリューアイテムを決めて対応する」(同)との方針を示した。

3月から一部店舗で実験的に価格対応を強化した結果、その年代の構成比が1.2%増加。さらに、生鮮品の価格や品揃えの見直し、PBの構成比アップ(現在の13%から20%へ)にも注力。

同社の顧客のうち40代以下は26.1%。これは食品市場全体(30.6%)に比べ、4.5ポイント低い。平松社長は「このギャップを単純計算すると、約200億円のチャンスがある。それをしっかり捉える」と強調した。

このほか②については東海エリアがNSC、北摂エリアは旗艦店周辺への出店など、複数フォーマットによる重点エリアでの出店を強化。店舗を地域の交流拠点として活用することで、新たなビジネス機会の創出を図る。③はデジタル技術やセンターの活用による省人化を進め、コスト構造を変える。

こうした戦略を進めながら27年度以降の成長につなげ、30年には連結の営業収益5千億円以上、営業利益率4.5%以上の実現を目指す。

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