井村屋は「やわもちアイス」シリーズと、「冷凍和菓子4コ入」4種を3月4日からリニューアル発売した。あんの甘さやもち部分の製法などを商品ごとに見直し、日常的に食べたくなる味わいを目指した。「やわもちアイス」は若年層を含めたさらなる認知拡大で「あずきバー」に次ぐ主力商品を目指す。
2月29日の発表会で、岩本康代表取締役社長は「春は和菓子の季節。これから少しずつ気温も上がってくるなか、季節を感じながら冷たい和スイーツをゆっくりとお楽しみいただきたい」とあいさつ。
「やわもちアイス バニラ」は、もち部分に白玉粉ともち粉をブレンドし一層柔らかくした。粒あんは甘さを控え、アイスは濃厚さを維持しながら素材本来の味わいが楽しめるさっぱりとした味わいにした。
2012年に発売した「やわもちアイス」は「あんこを得意とする井村屋が、日本人が大好きなおもちと組み合わせて和の魅力がたっぷりと詰まったアイスを作りたい」(中山美里商品開発部冷菓チーム課長)との思いから開発。冷凍下でも柔らかいもちの配合、伸びるもちを均等に5等分する設備などに苦労し、16年には製法に関する特許を取得した。
溶け時間によってもちの異なる食感が味わえる点も特徴だ。「冷凍庫から出してすぐは適度に弾力あるもっちり感、5分待つとおもちが柔らかくなり粒あんに艶が出て口溶けが良くなる。10分経つと、おもちはとろけたような食感になる」(同)。
売上規模は主力「あずきバー」の5分の1程度まで拡大しており、リニューアルを機にさらなる認知拡大を目指す。
「冷凍和菓子4コ入」シリーズは、今回からすべてに北海道産小豆を使用した。手作りに近い品質や味わいのバランスにも一層こだわった。
「同クリーム大福」は、最新の機械設備を導入し大容量でもきめ細かい高品質なホイップを実現。機械負荷が少ない最新型包あん機で優しく包むことで、手作りのおいしさを再現した。生地を搗く回数を従来の2倍に増やし、一層柔らかく滑らかな食感が楽しめる。
和菓子は一般的に賞味期限が短く、時間が経つともち部分が硬くなるが、同シリーズは急速冷凍により水分移行が起きにくく、包みたてのおいしさが維持できる点が特長。21年発売以来、徐々に販売シェアを獲得し、前年比で二ケタ伸長するなど好調だ。
商品開発部菓子チームの三浦智宏氏は「賞味期限を気にせずいつでも出来立てのようなおいしい和菓子を楽しんでほしい」と述べる。今後は業務用の提案も一層強化する。