8.2 C
Tokyo
6.2 C
Osaka
2025 / 12 / 16 火曜日
ログイン
English
飲料嗜好飲料AGF初 マイボトル専用パウダードリンク 手間がかかる・品質のブレなどの不満点を解消 常温でのおいしさとSNS映えも意識

AGF初 マイボトル専用パウダードリンク 手間がかかる・品質のブレなどの不満点を解消 常温でのおいしさとSNS映えも意識

 味の素AGF社は、小売向けスティックタイプのパウダードリンクで初めてマイボトル専用商品を投入して既存商品では取り切れない新たな飲用シーンを開拓していく。

 マイボトル専用パウダードリンクの新シリーズとして「ブレンディ」マイボトルスティック(以下、マイボトルスティック)を立ち上げ計6品種を3月1日に新発売する。

 マイボトルの浸透を受けた動き。

 同社調べによると、マイボトルの家庭内の保有率は約70%で保有総本数は約1.1億本、1年以内の使用率は約57%と推計。

 マイボトルが普及する中、以下のマイボトルの不満点を解消するものとして提案し需要創造を図る。

 ――手間(ティーバックなどを使って抽出する際のお湯の用意や水出しに要する時間)
 ――品質のブレ(ティーバッグなどの抽出時間の塩梅で濃淡が変わる)
 ――種類が少ない(マイボトルの中身の多くが茶系飲料)

竹内社長
竹内社長

 マイボトルスティックについて、2月20日発表会に臨んだ竹内秀樹社長は「我々AGFの新たなチャレンジ」と位置付ける。

 三橋祐太郎コンシューマービジネス部マーケティング第1グループグループ長経営企画部戦略推進グループグループ長は「『ブレンディ』スティックや『ブレンディ カフェラトリー』スティックに次ぐカテゴリーに育成していきたい」と意欲をのぞかせる。

 マイボトルスティックには、簡便・バラエティ・環境・経済性の4つの生活価値を備えていることに加えて、常温ドリンクのニーズや透明ボトルによるSNS映えの意識にも対応する。

 透明ボトルが市場に出回るといった取り巻く環境について「マイボトルにもともと期待されている機能価値に加えて、実は情緒的な価値も求められているような状況」と指摘する。

ドリンクは、マイボトルスティックを入れたマイボトルに水やお湯を注いで5秒ほど振ると完成する。

三橋氏(右)と増田氏
三橋氏(右)と増田氏

 増田修コンシューマービジネス部マーケティング第1グループマネージャーは「忙しい毎日の朝に簡単に素早くサッと作ってもっていける。しかも、いつも同じ味わいのドリンクが作れる。これは非常に大きな生活価値の1つ」と胸を張る。

 種類は、オフィスや家庭で気分転換したいときなどに3時間以上をかけて飲む“チビだら飲み”ニーズに対応すべく、リラックス・リセット・リフレッシュに適した6種類を用意。

 共通の特徴は「職場のオンタイムなどでチビだら飲みしていただくためには、飲み飽きられないように、スッキリとした味わいの中に、豊かな香りが感じられるテイストに仕立てた」点にある。

 これによりルイボスティーでは「やさしく香るピーチルイボスティー」と「爽やかに香るマスカットルイボスティー」のそれぞれ香りを立たせた2品を用意している。

 カラフルな液色も共通の特徴。
 「非常に液色が綺麗でカラフル。その日の気分でカラーチョイスといったことでも楽しんでいただけると思っている」という。

全6種類をラインアップ
全6種類をラインアップ

 そのほか、缶やペットボトル飲料と比べ割安といった経済性や、プラスチック使用量を減らせる環境配慮も特徴に挙げる。

 マイボトルスティックの想定定番売価は300円。6本入りで1本50円を想定する。

 ホット・アイスの飲み方と350~500mlの容量に対応。「500mlをベースにレシピ設計させていただいているが、350mlでも十分に美味しくいただける」と述べる。

 コミュニケーションは、初のマイボトル専用パウダードリンクのため、小売店やEC事業者の協力を得ながら価値提案を共創していく。

 SNSでPR動画を配信していくほか、店頭では商品コンセプトが伝達できるキャンペーン品を予定し、行政や大学などと連携した取り組みも検討していく。

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。