セブン-イレブン・ジャパンでは、カップラーメンカテゴリーでプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」の存在感がますます高まっている。全社的な基本戦略である「松」「竹」「梅」対応のもと、“安心価格”のレギュラー商品から有名ラーメン店とコラボした上質感ある商品まで、多彩なラインアップの総合力が強みとなっている。商品本部加工食品・雑貨部でカップラーメンを担当する飲料・酒・加工食品マーチャンダイザーの長谷部徹氏は「品質には徹底的にこだわり、価格を超える価値を追求している」などと話す。
■「価格を超える価値を追求」
24年2月通期のカップラーメンカテゴリーの販売実績は前年を上回って着地する見通し。うち、「セブンプレミアム」「同ゴールド」などのPBはトータルの伸びを超える進捗となっている。
主要メーカーが22~23年に2年連続でNB製品を価格改定した環境下、セブン-イレブンは23年春以降にカップラーメンのPBを価格改定したが、依然として販売動向は堅調だ。なかでも店頭で“安心価格”を訴求している「梅」の商品群が増勢。物価高で経済性を重視する生活者が増えたこともあり、レギュラーサイズの「セブンプレミアム 醤油ヌードル」「同 シーフードヌードル」(158円・税別、以下同)や、新たに投入した「同 醤油ヌードル BIG」「同 担々麺 BIG」(188円)などの動きが良かった。
ワンランク上の「松」は、「セブンプレミアム ゴールド」で「すみれ 札幌濃厚味噌」などを展開。23年秋は「飯田商店 しょうゆらぁ麺」と「中華蕎麦 とみ田 純粋豚骨らぁめん」をよりお店の味わいに近づけるべくリニューアルした。価格は3品とも298円。
また、「竹」に位置付ける「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 辛旨味噌」(220円)も、引き続き同社カップラーメンのPBでトップクラスの存在感を堅持した。
直近では「名店ジャンク」シリーズの第1弾「すみれ味噌ヌードル」(198円)がヒット。ローストガーリックで仕上げた濃厚な味噌スープに太めのフライ麺をあわせ、カップラーメンならではの味わいが楽しめる。
長谷部氏は「特定のPB商品が突出して伸びたわけではなく、全般的に順調な売れ行き。豊富な商品バリエーションで多様なニーズに応えられている」と説明する。
24年の市場環境は「人流回復や価格改定などの追い風が一巡し、先行きは楽観視できない」としながらも、「改めて基本に立ち返ることが大切」と強調。「取引先メーカーの協力を得ながら、価格を超える価値を持った商品の開発を追求していきたい」と展望する。
また販売サイドの加盟店を支援する一環で、「PB・NB問わず推奨商品の精度を高めていけるかも課題。商品の差別化ポイントを明確にするなどし、店舗側がより自信を持って発注できるように情報を伝えていきたい」との考えも示した。
※価格はいずれも取材時点