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逆光線(コラム)「海苔なし」のさみしさ

「海苔なし」のさみしさ

あるべきところに何もないのはさみしい。長距離バスに乗る前、昼食にしようとコンビニで買ったおにぎりには海苔が巻いていなかった。確かにその不透明なパッケージには、海苔なしであることがあまり目立たない文字で記されている。よく見て購入しなかったのが悪いのだが、おにぎりには海苔が巻いてあるという先入観は、そう簡単には変わらないだろう。

▼歴史的な不作に起因する原料高を背景に、炒飯や混ぜご飯など海苔を使わない商品が増えていることは売場を見れば分かる。平成の大不作と言われた20数年前、寿司店に納入する海苔業者が「軍艦巻きの海苔が薄くなった気がする」と冗談のように話していたのを思い出す。

▼購入したコンビニのおにぎりは、上質な米と具の明太子が売りのようで、確かに食感、味とも十分に満足できるものだった。それに見合う海苔を使えば、手を出しにくい価格になることは想像できる。

▼だが、それだけに海苔が巻いてあれば最高のおにぎりだったのにと思わずにはいられない。先入観が変わることで、長年親しんできた食文化が廃れるのはあまりにさみしい。

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