ヱビスとオレンジの出会い 「麦芽100%」の枠踏み越え初挑戦 ブランドの新たな歴史刻む

今年で発売133年を迎えた「ヱビスビール」(サッポロビール)。副原料は一切使用せず、麦芽100%のビールを1世紀以上にわたり貫いてきた。その歴史に、新たな挑戦の1ページが加わる。

今春に導入した新ライン「クリエイティブ・ブリュー」第2弾として11日から期間限定発売したのは「ヱビス オランジェ」。ブランド初の副原料、吟味された「オレンジピール」を使用。柑橘のような香りのホップを一部掛け合わせて実現した、オレンジ香る濃厚な味わいのヱビスだ。

開発にあたったのは、ヱビスブランドの中味開発を担当する若き醸造家・有友亮太氏。

「ヱビスに副原料を使ってもいいのかという思いはあったし、関係者からも『本当にやるのか』という反応があった」と明かす。

「ヱビスは発売から4年後に黒ビールを出したり、日本初のビアホールを開業したりと、当初から挑戦するブランド。提案できることが広がったいま、幸せな時間を皆さまにお届けするために提案できることも広がっている」。

18年の酒税法改正でビールにも副原料を使えるようになったことから、新たなチャレンジに踏み出したと語る。

ホップの柑橘香と麦芽のカラメル香が調和した「ヱビス オランジェ」。オレンジピールによる豊かな余韻が楽しめる。タレ味の焼き鳥や角煮など、甘味やコクのある料理と好相性だという。350㎖缶(税別参考小売価格258円)、500㎖缶のほか、飲食店向けの瓶・樽も数量限定発売する。

来年4月には、東京・恵比寿に「YEBISU BREWERY TOKYO」が開業予定。ブランド発祥の地でビール醸造を再開するとともに、ものづくりの発信拠点として顧客との接点強化につなげる。

「ルーツであり原点である場所にわれわれの座標軸を構え、もっとビールとの時間を生み出していける場所にしたい」(ヱビスブランドマネージャー・沖井尊子氏)。

ここから生まれる新たな味わいのビールも、続々と商品化する計画だ。

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