日中蜂産品会議、岐阜で開催 貿易の拡大発展へ 全日本はちみつ協同組合

全日本はちみつ協同組合(東京都中央区、田中正道理事長)は9月25日、「第28回 日中蜂産品会議」を岐阜県岐阜市のホテルグランベール岐山で開催した。日中蜂産品会議は、中国のはちみつ生産者および加工業者と定期的に開催する国際会議。日本からは国内の有力パッカー、輸入商社、蜂産品団体から50人が、中国土畜進出口商会の曹徳栄会長を筆頭に、各省の生産・加工企業代表ら57人が出席した。

会議開催前には、古田肇・岐阜県知事が会場に駆け付けてあいさつし「岐阜県は日本の近代養蜂の発祥の地。この会議を開催するにふさわしい地であり、中国との交流を大切にしてきた地」と述べ、「アジア大会を開催する杭州市とは友好都市協定44年の交流。江西省とは友好提携35周年を迎える。蜂産品を通じて日中が長く貿易を続けているのはうれしいことだ」と述べ、会議の成功を祈念した。

会議では冒頭、中国土畜進出口商会の曹徳栄会長があいさつした。中国土畜進出口商会は、中国商務部に直結する社団法人で、中国の貿易、物流、卸、小売など商品流通における分野で政府機関をサポートする団体だ。

曹会長は「ミツバチ製品は中国の伝統的な輸出品。対外貿易と経済発展に大きく貢献してきた。この会議も両国の貿易を促進する上で、課題の解決に重要な役割を果たしており、双方が交流プラットホームとして重視している」と強調し、「交流と議論により中日間ミツバチ製品貿易をさらに成長させ、安定で質の高いはちみつ産業の発展につなげたい」と呼びかけた。

続いて田中理事長がビデオメッセージであいさつしたのち、水谷友彦副理事長が「社会変化もあるが今後も問題点が生じたら双方で連絡を取り合い一つずつ解決していきたい。今回は日中ともに次世代を担う若手経営者(青年部)のメンバーも参加している。彼らの未来のためにもこの会議を意義のある会議にしたい」と力強く呼びかけた。

古田肇知事㊧(岐阜県)と曹徳栄会長(中国土畜進出口商会) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
古田肇知事㊧(岐阜県)と曹徳栄会長(中国土畜進出口商会)

その後、午前の部では日本側が国内業界について説明。全国ローヤルゼリー公正取引協議会の山木康孝会長は、同協議会の活動内容およびローヤルゼリーの国内市場について説明。続いて秋田屋本店の中村源次郎会長が「日本の蜂蜜市場の現状と課題」について説明し、協力を呼び掛けた。

次に双日食料(日本はちみつ輸入商社協議会幹事会社)の鈴木正芳氏が、日本のはちみつ輸入状況を説明し、中国からの輸入数量に大きな変化はないものの、これまでの主力国以外の産地からの輸入が拡大していると伝えた。

午後の部では中国側が「2023年中国ミツバチ製品市場状況報告」として、市場状況については、国内需要に変化、販売チャネルの変化、品質レベルへのニーズの変化などを解説。はちみつ、ローヤルゼリー、ビーポーレンの国際貿易状況や生産概況についても詳細に報告した。また、国内外に高品質な蜂産品を供給するため、ISO9001、HACCP、ISO22000認証の取得や、蜜源、養蜂場の建設条件や品質管理基準について説明し「日本の同業者の皆さまと協力しながら日本に輸出するはちみつの品質管理をさらに強化し中日間のはちみつ貿易の健全な発展に引き続き取り組みたい」と述べた。

なお一行は翌日、アピ・ネクストステージ工場(岐阜県揖斐郡揖斐川町)、日新蜂蜜・本社工場(岐阜県安八郡安八町)、秋田屋本店・本巣屋井工場(岐阜県本巣市)を訪問し、各社のもの作りの現場を視察した。

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