「アレ」効果、30億円目指す 阪神百貨店でVセール

阪神タイガースのセ・リーグ優勝から一夜明けた15日、阪神百貨店では祝勝を祈念したセールが始まった。

梅田本店ではオープン前に「Vセレモニー」を行い、1日店長のトラッキーらマスコットらが駆けつけてくす玉割りでお祝いをした。18年ぶりの優勝にちなんだ1千800円の福袋やロゴ入り特別商品、記念特価品などを全館で展開。開店前からファンや買い物客で長蛇の待ち列ができたことから、時間を30分早めて9時30分にオープン。館内は続々と詰めかけた来店客の熱気であふれた。

阪神百貨店の優勝セールは85年に40億円、05年は30億円を売り上げた。小森栄司本店長は「前回のセールに近い数字を達成したい。昔と比べて市場環境が異なり安くすれば売れるわけではないが、価格よりも記念になる商品を充実させていきたい」と話した。

「祝・リーグ優勝 阪神タイガースご声援感謝セール」は15日より1週間、阪神百貨店4店舗および阪急オアシス77店舗、イズミヤ73店舗、カナート17店舗で行われる。

メーカー・卸も期待

特別商品、記念特価品などを全館で展開(祝・リーグ優勝 阪神タイガースご声援感謝セール) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
特別商品、記念特価品などを全館で展開(祝・リーグ優勝 阪神タイガースご声援感謝セール)

食品卸やメーカーからも商売への効果に期待する声が上がっている。加藤産業の山中謙一専務は「当然プラスの動きとなり、関西ならではの経済効果が生まれる」とみる。8月中旬には、優勝応援セールへの協力を求めるスーパーからの依頼が増えていたという。

今年の春、神戸市のサンテレビとコラボした佃煮「アレ!」を発売したブンセンでは、タイガースの“アレ”が現実味を帯びてきた9月に売上が急増。決定までのわずか2週間で、発売直後の4月の月間売上を上回った。高島宏明部長は「ここまで『アレ』という言葉が浸透するとは思っていなかった」と驚く。京都市の丸正高木商店・高木誠治会長は「これをきっかけに再び二次会、三次会まで出かける人が増えれば街の活性化につながる」と期待を示す。