「生茶」から「お家では絶対つくれない」という深いうまみの緑茶飲料が登場 商品化のカギは微粉砕かぶせ茶と手間にあり

キリンビバレッジは、大容量・低価格のコモデティ化が進む緑茶飲料市場で、健康軸とは異なる、おいしさによる高付加価値の流れを生み出すべく「生茶」ブランドから一石を投じる。

この高付加価値化の期待を一身に背負い開発されたのが、9月5日に新発売される「生茶 リッチ」。

キリン独自の微粉砕かぶせ茶(かぶせ茶マイクロ粉砕)を「生茶」本体の10倍使用して素材にこだわったほか、通常の製造工程よりも手間をかけてつくられ、苦渋みを抑えた深いうまみが感じられるのが特長となっている。

家庭などでお茶をいれる際、お湯の温度は80℃以上の高温で渋み成分のカテキンが溶け出しやすく、50℃程度の低温でうまみ成分のアミノ酸が溶け出しやすいとされる。

この原理により、うまみが感じられるお茶は水出し抽出などでできるが、「『生茶 リッチ』の深いうまみは絶対お家ではつくれない」と言い切るのは田代美帆マーケティング部ブランド担当主務ブランドマネージャー。

左から取材に応じたキリンビバレッジの田代美帆マーケティング部ブランド担当主務ブランドマネージャー、高橋惇紀マーケティング部ブランド担当アシスタントブランドマネージャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から取材に応じたキリンビバレッジの田代美帆マーケティング部ブランド担当主務ブランドマネージャー、高橋惇紀マーケティング部ブランド担当アシスタントブランドマネージャー

その理由の1つが微粉砕かぶせ茶にある。

微粉砕かぶせ茶は2016年のリニューアル時から採用している生茶のおいしさをつくりだすもので、かぶせ茶を8時間以上かけてマイクロレベルの粒度にして加えることであまさ・コク・余韻を引き出している。

「生茶」本体では16年から微粉砕かぶせ茶を使用。「生茶 リッチ」では「生茶」本体10倍の微粉砕かぶせ茶を使用した上に、45℃抽出をメインに複数の温度帯でいれた抽出液を混ぜている。

「45℃の抽出液だけだと飲み応えがいまひとつとなり、香りを引き立たせるべく少し高い温度の抽出液などをブレンドしている。茶葉を多く使用し、低温で時間をかけて成分を抽出するため製造効率は落ちてしまうが、そこまでしてでもおいしいものをお届けしたい」と開発の旗振り役をつとめた高橋惇紀マーケティング部ブランド担当アシスタントブランドマネージャーは語る。

のどの渇きを潤す止渇ニーズが中心の緑茶飲料の中で、「生茶 リッチ」は嗜好ニーズの取り込みを想定。

容量は、500mlや600mlが主流の緑茶飲料パーソナルサイズの中で、400mlに設定。パッケージは黒を基調と高い品質感と嗜好性を感じさせるデザインとなっている。

これには「ゴクゴク飲むというよりは少しゆっくり飲んでいただきたい。“自分に戻れる時間”をイメージし、お家や仕事中の小休止に飲んで心をととのえていただきたい」との思いが込められている。

「生茶 リッチ」には「お家や仕事中の小休止に飲んで心をととのえていただきたい」との思いを込めた - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「生茶 リッチ」には「お家や仕事中の小休止に飲んで心をととのえていただきたい」との思いを込めた

コミュニケーションは、“ズルいほどリッチ”をキーメッセージに掲げSNSなどを活用し多岐にわたり展開していく。

POPでは、液体の中で舞うように溶け始める微粉砕かぶせ茶も描かれており、ここにもキリンの技術が反映されている。

「生茶 リッチ」には乳飲料の技術を応用した均一化処理を採用。これにより時間の経過とともに容器の底に沈んでしまう緑茶粉を、容器を振ることで分散しやすくしている。

採用状況は上々で、大手主要コンビニほか、スーパー・量販店などへの導入が決定。自販機への導入やホット展開は今後検討していく。

「『生茶』では誕生の時から茶葉のうまみ、あまみを追求してお客様に魅力的な緑茶飲料の提案をし続けている。緑茶の可能性や魅力をお客様に伝えてカテゴリーを大きくしていくのがブランドの使命であり、この点でも『生茶 リッチ』の役割が非常に大きい」と位置付けている。

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