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岩手県酪農乳業を訪ねて③ 地元で愛されてこそ一流品 “地産多消”目指す酪農家の工房 おおのミルク工房

来年創立20周年を迎えるおおのミルク工房(岩手県九戸郡洋野町、塩倉康美代表取締役)は、岩手県久慈地域で唯一の牛乳乳製品工場。「自分たちが愛情込めて育てた牛から搾った乳で、自分たちが自宅で楽しんでいる味わいを多くの人に届けたい」という思いのもと、酪農家らにより2005年に創設された。

浅水巧美専務取締役は特長について、「酪農家と一緒にではなく、酪農家がやっている乳業メーカー。自分たちの工場、自分たちの『ゆめ牛乳』という思いで酪農家の方々には接してもらっている」と語る。「地元で愛されてこそ一流品」という創業当時からの理念のもと、地元に軸足を置きながら積極的な企画やSNSを通して、全国で愛される商品を目指している。

代表商品の「ゆめ牛乳」(200㎖税込み85円、1千㎖同260円)は、85℃で20分間加熱する保持式殺菌で、乳本来の甘みとすっきりとした後味。地元のスーパーや、学校給食でも提供している。「ゆめヨーグルト」は、もっちりとした食感で優しい甘さの、キャップ付きヨーグルト。ワンハンドで手軽なことから、地元の小学生が朝食代わりに食べたり、道の駅やサービスエリアでも好評だ。

「ヨーグル党総選挙」の“加党”部門で1位を受賞した「のむヨーグルト」(150㎖税込み160円、750㎖同440円)は、濃厚な味わいが特長。「ゆめカップアイス」「ゆめプリン」などバラエティ豊かで、独自性の高い商品を開発している。

地産多消を目指し、地元とのつながりも大切にしている。昨年秋にオープンした「HIRONO GELATO」とコラボして、牛乳のほか豆乳、フルーツトマト、ホウレン草、人参などすべて地元の食材を使用した自社製造のジェラートを販売している。

「ゆめヨーグルト」など製造商品
「ゆめヨーグルト」など製造商品

「大野町の特産品といえば『ゆめ牛乳』といってもらえるように成長したい」と清水専務は展望する。

今後は、機械の老朽化や設備更新などの課題を抱える。空調がなく日によっては40℃近い状況の中で働くこともあるという工場内のヨーグルトの製造ラインでは、加糖・無糖のヨーグルトのほか、ソフトクリームミックス、プリン2種と計5種の商品を製造している。ヨーグルトは低温で長時間発酵させるため、従業員が交代制で担当している。

「地元に貢献したい思いのもとで多くの従業員が働いている。周りに支えられて19年間やってくることができた」と浅水専務は振り返る。当初5人だった従業員も30人ほどにまで拡大した。昨年は2人、今年は1人の新入社員が入社するなど、地元の雇用にも貢献している。久慈地方で搾った生乳のすべてを「ゆめブランド」に加工し、「注いだ牛乳の一滴が波紋となって広がるよう」に、地元から全国まで多くの人が楽しめる商品を目指している。

(つづく)

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