4.4 C
Tokyo
8.5 C
Osaka
2026 / 01 / 07 水曜日
ログイン
English
加工食品乳製品・アイスクリーム岩手県酪農乳業を訪ねて③ 地元で愛されてこそ一流品 “地産多消”目指す酪農家の工房 おおのミルク工房

岩手県酪農乳業を訪ねて③ 地元で愛されてこそ一流品 “地産多消”目指す酪農家の工房 おおのミルク工房

来年創立20周年を迎えるおおのミルク工房(岩手県九戸郡洋野町、塩倉康美代表取締役)は、岩手県久慈地域で唯一の牛乳乳製品工場。「自分たちが愛情込めて育てた牛から搾った乳で、自分たちが自宅で楽しんでいる味わいを多くの人に届けたい」という思いのもと、酪農家らにより2005年に創設された。

浅水巧美専務取締役は特長について、「酪農家と一緒にではなく、酪農家がやっている乳業メーカー。自分たちの工場、自分たちの『ゆめ牛乳』という思いで酪農家の方々には接してもらっている」と語る。「地元で愛されてこそ一流品」という創業当時からの理念のもと、地元に軸足を置きながら積極的な企画やSNSを通して、全国で愛される商品を目指している。

代表商品の「ゆめ牛乳」(200㎖税込み85円、1千㎖同260円)は、85℃で20分間加熱する保持式殺菌で、乳本来の甘みとすっきりとした後味。地元のスーパーや、学校給食でも提供している。「ゆめヨーグルト」は、もっちりとした食感で優しい甘さの、キャップ付きヨーグルト。ワンハンドで手軽なことから、地元の小学生が朝食代わりに食べたり、道の駅やサービスエリアでも好評だ。

「ヨーグル党総選挙」の“加党”部門で1位を受賞した「のむヨーグルト」(150㎖税込み160円、750㎖同440円)は、濃厚な味わいが特長。「ゆめカップアイス」「ゆめプリン」などバラエティ豊かで、独自性の高い商品を開発している。

地産多消を目指し、地元とのつながりも大切にしている。昨年秋にオープンした「HIRONO GELATO」とコラボして、牛乳のほか豆乳、フルーツトマト、ホウレン草、人参などすべて地元の食材を使用した自社製造のジェラートを販売している。

「ゆめヨーグルト」など製造商品
「ゆめヨーグルト」など製造商品

「大野町の特産品といえば『ゆめ牛乳』といってもらえるように成長したい」と清水専務は展望する。

今後は、機械の老朽化や設備更新などの課題を抱える。空調がなく日によっては40℃近い状況の中で働くこともあるという工場内のヨーグルトの製造ラインでは、加糖・無糖のヨーグルトのほか、ソフトクリームミックス、プリン2種と計5種の商品を製造している。ヨーグルトは低温で長時間発酵させるため、従業員が交代制で担当している。

「地元に貢献したい思いのもとで多くの従業員が働いている。周りに支えられて19年間やってくることができた」と浅水専務は振り返る。当初5人だった従業員も30人ほどにまで拡大した。昨年は2人、今年は1人の新入社員が入社するなど、地元の雇用にも貢献している。久慈地方で搾った生乳のすべてを「ゆめブランド」に加工し、「注いだ牛乳の一滴が波紋となって広がるよう」に、地元から全国まで多くの人が楽しめる商品を目指している。

(つづく)

関連記事

インタビュー特集

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。