日本アクセスは今年4月、富士通が開発した「Fujitsu買掛照合AIサービス」を導入。取引先メーカーとの買掛照合業務の効率化につながっているという。食品卸では、消費者の多様なニーズに応えるため、細分化された多くの取引メーカーとの買掛照合業務に膨大な時間と人手がかかっており、日本アクセスでは従来、約80人が手作業で買掛照合業務に従事。照合業務の作業負担軽減と人為的なミスへの対策が業界共通の課題となっていた。
こうした中で、AI技術の開発を先進的に推進している富士通との協働により、買掛照合AIサービスを導入。導入後の業務モデル検証を重ねてきた。
富士通が開発したSaaS型AIサービス「Fujitsu買掛照合AIサービス」は、AIが過去の照合実績をもとに商品名や届け先名を学習し、明細単位での各社請求データと自社台帳データを照合し、かつ照合された明細に対しては一致するデータのパターンによって照合結果の正確性を示す消込確度を提示。消込確度の高い明細に対しては確度A、確度の低い明細は確度Eといった重み付けをすることで、消込確度の高い明細は手作業での照合を簡素化、確度の低い明細は重点的に確認を行うことで、手作業による再照合の効率化を可能にしている。また、照合ミスなどのヒューマンエラーの削減にもつながる、スタッフの心理的負担の軽減にもつながるという。
両社が数か月間実施したトライアルでは、スタッフの稼働時間の削減効果が確認できたことから、今年4月から本格運用を開始。今後、約2年間の移行期間で約600社の取引メーカーの買掛照合業務での導入を進める。
一方、依然として多くの取引メーカーとの間で紙の請求書のやりとりが残っており、データ化を推進することでAIを活用した買掛照合業務の利用推進を図り、さらなる効率化につなげていく方針だ。