外食反転攻勢へ繁盛支援、提案多彩に マルト水谷「フードナビ2023」

業務用酒類食品卸のマルト水谷(愛知県春日井市、梶田知社長)は5月16~17日、名古屋市中小企業振興会館で得意先向け商品展示会「フードナビ2023」を開催した。今回は「多様化する外食店」をテーマに、ビール、清酒・和酒・焼酎、洋酒・ワイン、ソフトドリンク、食品、設備関連など約150社が出展。アフターコロナで反転攻勢を期す外食業界の繁盛支援に力を込めた。

マルトオリジナル企画ブースでは

①「はざま酒造 恵那山」
②「ワイン&サケ ナビ 名古屋」
③「Perfect速達生bar」
④「バイヤーセレクション」
⑤「“食”メニュー価値アップ」
⑥「ソバー・ペアリング」
⑦「アジアン食堂」
⑧「レストランテック」

などの提案を用意した。

梶田知社長(マルト水谷) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
梶田知社長(マルト水谷)

同社の看板商品である「速達生」は、メーカー工場から2日以内の高鮮度で生ビールを飲食店に提供するサービス。コロナ禍で一旦供給を停止していたが、昨年6月1日から再開した。ブースでは昨年同様“パーフェクト速達生”の美味しさを体験するとともに、成功事例の紹介や提供品質向上に向けたポイントなどを提示した。

「“食”メニュー価値アップ」では、リベンジ消費の機運が高まる一方、物価高で生活防衛意識を強める消費者を満足させるメニュー提案を披露。

また、欧米を中心に広がっている“あえて飲まない”スタイル「ソバーキュリアス」が日本国内でも広がっていることを受け、「ソバー・ペアリング」ではノンアルコール飲料の試飲やフードとの組み合わせを紹介した。

開会式で梶田社長は、「25年前、総合業務用卸を目指しこのフードナビが始まった。食品がなかなか伸びない状況ではあったが、

①コロナ禍の3年間で酒類は苦戦したものの、食品に力を入れたことが結実した
②この一年で取扱商品の大半が値上げとなったが、それが追い風となり売上・利益がアップした
③人手不足が言われているが、15年から取り組んだ働き方改革『スーパーホワイトプロジェクト』が奏功し、採用にも結びついた
④25年間、苦しいときも変わらず皆様にご協力・ご愛顧頂いた。これらが我々の業績を支えている」

と謝辞を述べた。

同社の23年3月期の全体売上は213億8700万円。前年比で約1.5倍、コロナ前の19年比で約5%のプラスとなった。酒類の売上は約107億でまだまだコロナ前の水準に届いていないが食品・その他は90億円弱で、コロナ前の1.5倍超。全体に占める売上構成比も40%を超えた。経常利益は過去最高を記録したという。

「4月も好調で、おそらくこの1年はこの勢いで行けると思う。ただ、現状に甘んじることなく、この先の25年を見据えて今年は大変革の年としていきたい」(梶田社長)

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