人手不足のホテル業界をサポート 業務用スイーツ充実、新商品「フリーカットケーキ オペラ」に手ごたえ 味の素冷凍食品

味の素冷凍食品は、人手不足が深刻な外食市場の中でもホテル業界に向けた提案に注力している。主力はビュッフェに欠かせない業務用スイーツ。23年春の新商品では「フリーカットケーキ オペラ(ベルギー産チョコレート使用)」が好評だ。

製品戦略部の内藤裕史フードサービスグループ長は「品質にこだわり続けてきた当社だからこそ、ホテルが求める高いクオリティに応えられる。合格点をいただける美味しさと、利便性に優れた機能でお役立ちしていきたい」と意気込む。

「顧客の課題解決を追求」

製品戦略部の内藤裕史氏(味の素冷凍食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
製品戦略部の内藤裕史氏(味の素冷凍食品)

目下の方針は「コロナ禍以降、外食市場が落ち込み当社のフードサービス事業にも大きな影響があった。しかし、短期的な売上の挽回を優先するのではなく、厳しい環境だからこそお客様(取引先)のことを深く知り、個々の課題解決を追求する方針に舵を切った。それを実現することで、結果的に経済的価値も生むと考えている」。

業務用スイーツのラインアップは、「フリーカットケーキ」46種類、「カット済みケーキ」18種類、「素材型スイーツ」11種類と業界随一を誇る。定番のチョコケーキ、チーズケーキをはじめ、準定番のミルクレープ、ティラミス、和の生どら焼きまでメニューは幅広い。内藤氏は「現場では『熟練したパティシエの人数が足りない』『季節ごとに入れ替えるメニューを考えるのが大変』などのご意見をお聞きする。当社は人手不足の度合いや内容にあわせて多様なニーズに応えられる」とアピールする。

イタリアンプリン(味の素冷凍食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
イタリアンプリン(味の素冷凍食品)

23年春の新商品では「フリーカットケーキ オペラ」の手応えが大きい。ベルギー産チョコレートを使用して本場フランスの味わいを追求し、濃厚でしっとりとした食感も楽しめる。「パティシエの方々にも品位を認めていただけた。当社スイーツの看板商品に育てていきたい」(内藤氏)。

「カット済みケーキ レアチーズ(北海道産クリームチーズ使用)」はリニューアル。一口サイズのケーキにソースがかかっており、人手が足りない現場でも手間なく提供できる。

グループの技術力に優位性

一方、居酒屋を中心に「レンジでロスなし」シリーズのスイーツが重宝されている。オーダーが入った後、「濃厚ショコラテリーヌ」は約10秒、「イタリアンプリン」は約20秒のレンジ調理で解凍できるというから驚きだ。

バターライス(黄)(味の素冷凍食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
バターライス(黄)(味の素冷凍食品)

米飯類は幅広い業態で「ガツうま!チャーハン」が好評。夏休みや大型連休などの繁忙期に炊飯ジャーで保温してもおいしさを8時間キープできるという。この技術は「レストラン用バターライス(白・黄)」や「チキンライス」にも活用。ビュッフェで目にするチェーフィング保温での品質劣化を軽減する。

独自色あるラインアップに関して、内藤氏は「当社の強みは味の素グループの研究開発力を生かせること。20年には関東工場(群馬県)に隣接していた『研究・開発センター』および『生産本部品質管理部』と埼玉県東松山市に所在していた『生産本部生産技術開発部』が味の素社の川崎事業所にある『フローズンフード テック&デザイン ステーション』に移転。シェフやパティシエの方々のお話を参考にさせていただき、グループ内の緊密な連携で製品開発にも生かしている」ことを強調した。