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トップニュース今年も注目 冷凍グルメ 専門業態 好ペース続く 週末やギフト需要にも

今年も注目 冷凍グルメ 専門業態 好ペース続く 週末やギフト需要にも

22年の食品業界で大いに注目を集めた「冷凍グルメ」。その年を象徴する食として、ぐるなび総研による「今年の一皿」に選ばれたことは記憶に新しい。同様に話題となったのが、冷凍食品専門の新業態だ。イオンリテールは「イオンスタイル新浦安MONA」内に「@FROZEN」、松屋銀座は「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザ フローズン グルメ)」をそれぞれ8月下旬に立ち上げ、「冷凍グルメ」も多数品揃えした。

オープンから約半年が経過。本紙の取材に「週末に“ちょっといいもの”を食べたい需要に応えられている」(イオンリテール広報部)、「新たなギフト需要につながっている」(松屋広報課)と手応えを話す。

イオンリテールの「@FROZEN」は、累計の販売実績が計画比約1.8倍と好調に推移する。共働き世帯・単身世帯・シニア層をメーンターゲットに、国内最大級の1千500品目を品揃え。なかでも高価格帯の動きが良く、「俺のフレンチ 牛ホホ肉のシチュー」「Z’sMENU 明洞で食べた参鶏湯」「一慶監修 博多牛もつ鍋」など税込1千~2千円台の商品が売れ筋になっている。「ポテトかいつか 紅天使焼き芋」「ピカール 4種類のマカロン」「グローリー サンザシ飴」などスイーツも好評だ。

同社は「原料や製造方法にこだわった3千円前後の商品もよく売れている。オープンから数か月経っても傾向は変わらない」とし、「当初は目新しさから高価格帯の商品を試されたお客様が、実際に食べて品質の高さに驚き、リピーターとして様々な商品の購入につながっているのでは」と説明。また「『@FROZEN』出店後から土日の利用客が急増した。一般的な冷凍食品はストック需要のイメージが強いが、高価格帯商品は買ったその日に食べられるケースも多いようだ。共働き世帯を中心に、週末にゆっくり休みながら“ちょっといいもの”を食べたいというニーズに応えられている」。

店頭では毎月の売れ筋ランキングなどをPOPやモニターで訴求。現在はWebアンケートを実施し、売場や品揃えのさらなる充実も図っている。「@FROZEN」の新規出店については「本年度中に拡大するべく計画中。時期やエリアは未定」(同社)。

松屋銀座で人気のロールキャベツ(GINZA FROZEN GOURMET(ギンザ フローズン グルメ))
松屋銀座で人気のロールキャベツ(GINZA FROZEN GOURMET(ギンザ フローズン グルメ))

松屋銀座の「ギンザ フローズン グルメ」は、銀座の有名店をはじめ高品質にこだわった冷凍食品をラインアップ。2月末までの販売実績は計画比約150%と想定を上回っている。「店頭での商品回転率が非常に高く、収益に貢献している」(同社)。

地元・銀座の名店が手がける「銀ぶらグルメ」が好評で、「銀座 吉澤 松阪牛シルクハンバーグ」「銀座 日東コーナー1948 ロールキャベツ トマトソース」「銀座 みかわや舌平目のかに肉包揚げ」などが人気を集める。行列店「玉ひで」(東京・人形町)のおいしさが自宅で楽しめる「親子丼の素」や、夏場を中心にスイーツ系やカップアイスもよく動いた。

オープンから数か月が経過し、特徴的なのはギフト向けの需要が高まっていることだ。「当初はご自宅用がメーンだったが、おいしさを知っていただいたお客様から歳暮や結婚内祝いなどの引き合いが増えた」。ギフト向けの詰め合わせは3万円以上で購入されるケースが多いという。

今後の取り組みとしては、「ギンザ フローズン グルメ」で好評な商品群を中元・歳暮カタログにも新規掲載していく。また、冷凍食品のECにも手応えを得ており、取り扱いアイテム数を現状の約140SKUから約300SKUまで増やしたい考えだ。

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