10.8 C
Tokyo
16.6 C
Osaka
2025 / 12 / 20 土曜日
ログイン
English
トップニュース今年も注目 冷凍グルメ 専門業態 好ペース続く 週末やギフト需要にも

今年も注目 冷凍グルメ 専門業態 好ペース続く 週末やギフト需要にも

22年の食品業界で大いに注目を集めた「冷凍グルメ」。その年を象徴する食として、ぐるなび総研による「今年の一皿」に選ばれたことは記憶に新しい。同様に話題となったのが、冷凍食品専門の新業態だ。イオンリテールは「イオンスタイル新浦安MONA」内に「@FROZEN」、松屋銀座は「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザ フローズン グルメ)」をそれぞれ8月下旬に立ち上げ、「冷凍グルメ」も多数品揃えした。

オープンから約半年が経過。本紙の取材に「週末に“ちょっといいもの”を食べたい需要に応えられている」(イオンリテール広報部)、「新たなギフト需要につながっている」(松屋広報課)と手応えを話す。

イオンリテールの「@FROZEN」は、累計の販売実績が計画比約1.8倍と好調に推移する。共働き世帯・単身世帯・シニア層をメーンターゲットに、国内最大級の1千500品目を品揃え。なかでも高価格帯の動きが良く、「俺のフレンチ 牛ホホ肉のシチュー」「Z’sMENU 明洞で食べた参鶏湯」「一慶監修 博多牛もつ鍋」など税込1千~2千円台の商品が売れ筋になっている。「ポテトかいつか 紅天使焼き芋」「ピカール 4種類のマカロン」「グローリー サンザシ飴」などスイーツも好評だ。

同社は「原料や製造方法にこだわった3千円前後の商品もよく売れている。オープンから数か月経っても傾向は変わらない」とし、「当初は目新しさから高価格帯の商品を試されたお客様が、実際に食べて品質の高さに驚き、リピーターとして様々な商品の購入につながっているのでは」と説明。また「『@FROZEN』出店後から土日の利用客が急増した。一般的な冷凍食品はストック需要のイメージが強いが、高価格帯商品は買ったその日に食べられるケースも多いようだ。共働き世帯を中心に、週末にゆっくり休みながら“ちょっといいもの”を食べたいというニーズに応えられている」。

店頭では毎月の売れ筋ランキングなどをPOPやモニターで訴求。現在はWebアンケートを実施し、売場や品揃えのさらなる充実も図っている。「@FROZEN」の新規出店については「本年度中に拡大するべく計画中。時期やエリアは未定」(同社)。

松屋銀座で人気のロールキャベツ(GINZA FROZEN GOURMET(ギンザ フローズン グルメ))
松屋銀座で人気のロールキャベツ(GINZA FROZEN GOURMET(ギンザ フローズン グルメ))

松屋銀座の「ギンザ フローズン グルメ」は、銀座の有名店をはじめ高品質にこだわった冷凍食品をラインアップ。2月末までの販売実績は計画比約150%と想定を上回っている。「店頭での商品回転率が非常に高く、収益に貢献している」(同社)。

地元・銀座の名店が手がける「銀ぶらグルメ」が好評で、「銀座 吉澤 松阪牛シルクハンバーグ」「銀座 日東コーナー1948 ロールキャベツ トマトソース」「銀座 みかわや舌平目のかに肉包揚げ」などが人気を集める。行列店「玉ひで」(東京・人形町)のおいしさが自宅で楽しめる「親子丼の素」や、夏場を中心にスイーツ系やカップアイスもよく動いた。

オープンから数か月が経過し、特徴的なのはギフト向けの需要が高まっていることだ。「当初はご自宅用がメーンだったが、おいしさを知っていただいたお客様から歳暮や結婚内祝いなどの引き合いが増えた」。ギフト向けの詰め合わせは3万円以上で購入されるケースが多いという。

今後の取り組みとしては、「ギンザ フローズン グルメ」で好評な商品群を中元・歳暮カタログにも新規掲載していく。また、冷凍食品のECにも手応えを得ており、取り扱いアイテム数を現状の約140SKUから約300SKUまで増やしたい考えだ。

関連記事

インタビュー特集

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。