伊藤忠食品と友好取引関係にある主要有力メーカーで組織する「東京藤友会」(会員187社)の第39回総会が5月14日、東京・水天宮のロイヤルパークホテルで開かれた。会合には新規入会8社を含めたメーカー170社が出席。伊藤忠商事の石井敬太社長をはじめ、特別会員である伊藤忠食品の経営幹部が出席し、今後の方針を共有した。
伊藤忠食品は2月に創業140周年の節目を迎え、4月には伊藤忠商事による株式公開買付が成立。5月21日付で同社の完全子会社となる予定だ。東京藤友会加盟各社のトップを前に、岡本均社長が完全子会社化を決断した経緯と今後の方針を説明した。
岡本社長は生成AIで作ったという画像を引き合いに、「今から140年前、当社(前身の松下善四郎商店)は食品業界という大海原に漕ぎ出した。皆さまのお力添えをいただき、一艘の筏は小舟となり、やがて蒸気船、そして今日では多くの機能を備えた大型船へと進化を遂げることができた」と謝意を示した。
そのうえで、「外部環境の変化が激しさを増すなか、荒波を乗り越えていくためには、強固な船体とエンジンで推進力を増し、さらなる進化が求められている。『常に時代の変化と要請を先取りし、健康で豊かな食生活づくりを通じて、消費者と社会に貢献する』当社の企業理念を実現するためには、抜本的に企業体質を転換させる必要がある」と説明。
「伊藤忠グループの経営資源をフルに活用し、グローバルな調達力と情報、そしてわれわれが培ってきた現場力と実行力を融合することで、強固なビジネスモデルを構築する。これからも皆さまと心を一つに強靭な大船団で荒波を乗り越え、新たな成長と価値創造に邁進する」と力強く語った。

来賓としてあいさつした伊藤忠商事の石井社長は「親子上場の解消にとどまらず、人手不足やエネルギーコストの上昇という課題に対して、スピード感を持って対応する経営体制を作り上げるため、完全子会社化の実行に至った。『利は川下にあり』を掲げる伊藤忠グループにとって、多様な消費者接点を有する食品事業は基礎収益力にかかわる一丁目一番地である。これからも三方良しの精神で、食品流通業界を盛り立てていく」と表明した。
東京藤友会の赤堀誠一会長(味の素執行理事東京支社長)は「メーカー、卸がそれぞれの立場で個別最適を追求する時代ではない。サプライチェーン全体を一つの有機体として機能させ、食の安定供給と環境負荷の低減を実現し、食品産業の価値を次なる高みに引き上げていくことが求められている」としたうえで、「伊藤忠食品の140年の歴史と機能、伊藤忠商事のグローバルネットワークが融合することで、新たな価値を生み出し、業界を牽引する強固なプラットフォームへと進化される」と期待を寄せた。
26年度の事業方針説明では、第三営業部門に新設したPB推進室、商品本部、リテール本部の取り組み概要を各部門長が説明。PB・留め型商品の開発、物流、商品拡販、リテールメディアを活用した販促企画、デジタルマーケティングなど、仕入れ先メーカーと一体となった取り組みを進めていく方針を示した。



