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その他機械・資材デザート用パッケージで「心」つかむ 開発の基本は菓子専門店のウオッチ 伊藤景パック産業 伊藤景一郎社長

デザート用パッケージで「心」つかむ 開発の基本は菓子専門店のウオッチ 伊藤景パック産業 伊藤景一郎社長

「経木」一枚の提供から始まった伊藤景パック産業は、100年余りの年月を経て「スイーツ・デザート&ダイニングのすべてを包む」スローガンのもとで、様々な食シーンを見据えた総合パッケージングメーカーに拡大した。今では製菓・製パン業界はもとより、アイスクリーム・外食・コンビニエンスまで活動領域を広げている。父(伊藤賀夫氏)と親交があったイトーヨーカ堂の創業者、伊藤雅俊氏(3月10日逝去)の「日本人がもっと喜ぶ商品を作ってみてはどうか」の一言がきっかけに、紙製食器「WASARA」につながり、経営ビジョンである「パッケージを通じて美味しさの、新しい価値づくり」に息づいている。伊藤景一郎社長に、これまでの経過や、これから目指す方針などを聞いた。

――貴社の沿革を教えてください。

伊藤 もともと割り箸屋だった父が、北海道の白樺の木がアイスクリームのスティックの世界基準素材と知り、戦後、割り箸工場をアイスクリームスティックの工場に変えたのが始まりで、今ではアイスクリームスティックの約3割が当社の商品だと思います。

私は29歳までイトーヨーカ堂の店舗マネージャーとして働き、1979年に弊社に入社。当時はサンプルを持ち歩きながら得意先を回る営業が主体でした。これを提案型の営業に変える為、商品開発から販売までをサポートする「繁盛サポート部」を立ち上げ、全国のお菓子専門店を歩き回って集めた食の最新情報が、今でも商品開発の基本になっています。情報は年4回発刊する季刊情報誌「RE News Letter」(今春号で366号)に掲載し、約800社のお客様にお届けしています。平成9年(1997年)に46歳で社長に就任しました。

こうした中で、より多くのお客さんとお付き合していただくために、「デザートを楽しむ豊かなライフスタイルづくりをパッケージでサポートする会社」に方針変更したことが大きな転機になりました。それまで作ってきた化粧箱などを一切やめてデザート関連の製品に切替え、今では売上の約7割がデザート関連の商品になっています。同時に「お腹を満たすパッケージは作らない、心を満たすデザートパッケージを作る」という想いを込めて「繁盛サポート部」を「デザート生活デザイン研究所」に改称。今では大手菓子メーカーから流通、卸、コンビニ、スーパーなど様々な企画に携わっています。

――現在の営業体制はどうなっていますか。

伊藤 コンビニ中心の流通小売業に提案する「特販部」と、シャトレーゼや山崎製パン、ベンダー向けの「量販部」、それに専門店向けの「直販部」に分かれますが、最近は「量販部」の比率が大きくなっています。これ以外にアイスクリーム関連の「フローズン営業部」があります。

――紙製食器「WASARA(ワサラ)」は、どのような商品ですか。

展示ショールーム(伊藤景パック産業)
展示ショールーム(伊藤景パック産業)

伊藤 およそ18年前に、時間や場所、心を自由で豊かにする温かい空気感のある器をつくりたいという想いから開発しました。これは父と親交があったイトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏の「パッケージ会社なら、日本人がもっと喜ぶ商品を作ってみてはどうか」の一言がきっかけになりました。手に持ったときの感触や、唇に触れたときの感覚を大切に、自然に手に馴染み、料理を美しく引き立てることがポイントです。しかも竹とサトウキビの繊維で作られているため、埋めると100%土に還るわけです。デザインは建築家の緒方慎一郎氏に依頼し、グッドデザイン賞を受賞しました。

――現在、心掛けていることはどのようなことですか。

伊藤 パッケージ屋というと、何でもするというイメージがありますが、当社はそうではありません。今まで培ってきた製菓、製パン、アイスクリームなどを総合してスイーツ、デザートとして捉え、パッケージを通して「デザートを楽しむ豊かなライフスタイルづくり」のお手伝いをすることを心掛けています。お手伝いの仕方も、良いパッケージを安く作るだけではなく、小売の立場で、お菓子屋さんのお菓子が、どうしたら売れるかを常に考えています。それには材料や技術だけではありません。売れている店の商品を常にウオッチングし、お客さんは何に心を動かすかを見抜くことが大切です。お菓子は文化的なものであり、企業や経営者、店、職人の想いが込められているからです。

――次なる課題は何でしょうか。

伊藤 本来の意味でのサプライチェーンとして、お客様が成長し、好循環を助けるためのパッケージメーカーとして力を発揮したいと思っています。低コスト化や少量化、多様性、機能性、デザイン性など、お手伝いの仕方を変えながらお役立ちしたいと思っており、パッケージメーカーとしてできることは無限だと思います。

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