国内初 日清製粉が食物繊維高含有の小麦粉を開発 5年以内に本格販売へ

 日清製粉は国内で初めて高食物繊維小麦粉「アミュリア」を開発した。
 原料小麦の調達量を順次増やし、5年以内の本格販売とラインアップ拡大を目指す。

 同製品は胚乳部に食物繊維を豊富に含む高食物繊維小麦を100%使用。小麦粉100g中に約17gの食物繊維を含有し、そのうち約8gがレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)で構成されている。

 用途は一般的な小麦粉と同様、パン類、麺類、菓子類などに幅広く使え、強力粉の特徴を持つことから中華麺、そば、即席麺などにも向いている。

 加工しやすく、高配合でも作業性が良いのが特徴。味わいや食感も優れており、事前のモニター調査では、同製品を使用したパンや麺を試食した人の約8割が「おいしい」と回答している。

 原料の高食物繊維小麦は、豪アリスタ・シリアルテクノロジーズが20年以上かけて自然交配により研究・育種したもので、日清製粉が国内での独占輸入・販売権を保有。

 商品名の「アミュリア」は英語やフランス語でお守りを意味する「アミュレット」とギリシア神話の健康の女神「ハイジア」を組み合わせた造語で、生活者の健康に対する自社の思いを表現した。

 現代の日本人の食物繊維摂取量は1950年頃と比べ3割程度減少しており、男女ともに摂取推奨量を下回る状況が続いている。
 同社では2020年9月から、人々の健康的な暮らしをサポートすべく、食物繊維を高含有する小麦粉の研究開発を進めてきた。

 今後は食品加工メーカーとともに日常的な食品開発に向けた環境構築を図ると同時に、加工用途を広げることで市場の活性化を図る。