宝HD 海外和酒事業を加速化 WAKAZE社へ出資

宝ホールディングスは11日、フランスで清酒などの酒類製造販売を行うスタートアップ企業、株式会社WAKAZEが実施する、第三者割当増資の一部を出資したことを明らかにした。同社がスタートアップ企業に出資するのは初めて。

WAKAZE社は2016年に日本で創業、19年にパリ近郊にて醸造所「KURA GRAND PARIS」を設立した。伝統的な日本酒製法を重んじながら、南仏カマルグ産の米をはじめ、現地の水やワイン酵母などを使い、地元の食文化や流行を取り入れたイノベーティブなSAKEづくりを行う。フランスでは日本酒と接点の薄かった20~40歳のミレニアル世代を開拓して、3年間で日本酒市場規模を2倍に成長させた実績がある。

木村睦・宝ホールディングス社長は、「既存の枠にとらわれないSAKEづくりや、ブランド構築の手法など当社にないものを持たれていて感銘をうけた。何よりも『日本酒を世界に』という想いに共鳴して、パートナーとしてともに歩む決断をした」と説明。稲川琢磨WAKAZE社CEOも、宝ホールディングスの技術力と生産力の魅力を話したうえで「世界に和酒を広めるという同じベクトルと熱量をもって、取り組みたい」などと話した。

両社では今回の出資と協業を通じて、和酒の新たな魅力や価値の創造を目指す。将来的に拡大が見込めるアメリカと中国を中心に、OEM生産と流通において宝ホールディングスが協力することにより、展開を加速化。中長期的に1千億円のSAKE事業の共創を目指す。

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