即席麺総需要、過去最高に迫る勢い 昨年は11月まで2.2%増

日本即席食品工業協会調べによると、2022年1~11月の即席麺総需要は54億1千514万食、前年同期比2.2%増だった。この数字はJAS品.非JAS品および生タイプの合計。あと1か月を残すものの、年間のプラス成長は確実なペースで、過去最高の20年(59億7千434万食)に迫る勢いだ。コスト高の影響で当市場も22年6月に価格改定を実施したが、最大の武器であるおいしさと簡便性に加え、主食として相対的なコストパフォーマンスの高さが強みになっている。

月別の推移をみると、2~5月に4か月連続でプラスをマーク。業界関係者の間では「2月上旬から大手メーカーを中心に価格改定の発表が相次ぎ、連日テレビやネットのニュースに即席麺の有名ブランドが露出した。図らずも消費者の関心が高まった」との見方がある。その値上げを実施した6月は3.8%減とブレーキがかかり、続く7月は猛暑で7.8%減と苦戦したものの、その後は8月5.0%増、10月1.0%増、11月3.6%増と順調に回復した。

カテゴリー別は、約3分の2を占めるカップ麺が35億8千810万食、1.6%増で牽引。袋麺も18億2千704万食、3.6%増と堅調だった。

一方、総需要の内訳でJAS受検数量(構成比74%)は1.8%減と若干マイナス。こちらは各社のロングセラーなどが多く該当し、価格改定の影響が出たと見られる。対して、非JAS品は19.2%増と拡大。背景には、従来にない新価値商品や輸入品などラインアップの多様化に加え、値上げ以降、定番のレギュラー品から非JASのPBや廉価品に需要がシフトしたことも挙げられる。

なお11月単月は5億8千295万食、3.6%増。うち袋麺が2億1千142万食、4.4%増、カップ麺が3億7千153万食、3.1%増とそれぞれ伸びた。12月は前年同月が5.6%増と高水準ながら一昨年レベルの上乗せでも通年で59億食を突破する。