東北の高校生が食のアイデア競う 青森代表が5年ぶり優勝 東洋水産

東洋水産は、「食」に興味・関心のある東北地区の高校生を対象にしたフリーズドライ(FD)カップスープのアイデアコンテスト「スマイル“フード”プロジェクト in 東北2022」の決勝大会を宮城県仙台市内のホテルで開催した。

今年で7回目。東北地方に多くの製造拠点を置く同社が、食の未来を担う高校生による地域の食文化創造をサポートしたいとの考えに基づき、2015年から開催している。決勝には、昨年と同数の56校246チームの中から書類審査を通過した各県代表の6チーム(1チーム3人)が集結。プレゼンテーションに続き、当日ホテルが調理した作品と事前にFD化した作品の2種類で試食審査が行われた。

審査員長の真喜屋理恵子常務らが「おいしさ」「地域性」「独創性」「実現性」を基準に審査した結果、優勝は青森県立木造高校のチーム「フードデザインH&S」(写真前列左)による「干し鱈のうまみたっぷり卵卵(たまらん)スープ」に決定、賞状と副賞が贈られた。青森県勢の優勝は5年ぶり3回目。津軽の郷土料理「たらたま」を再現したもので、具材に地元の食材(長芋・ねぎ・ごぼう)やスープの隠し味に特産の調味料(にんにく塩麹)を使用した独創的で地域色あふれるおいしさが評価の決め手となった。

甲乙つけ難いスープ6種(スマイル“フード”プロジェクト in 東北2022) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
甲乙つけ難いスープ6種(スマイル“フード”プロジェクト in 東北2022)

準優勝は秋田県立金足農業高校のチーム「株式会社sma’s cook」による「じっぱり秋田のいぶりがっこチーズチャウダー」。5回連続出場の常連校で、牛乳・チーズを使った洋風スープに漬物のいぶりがっこを上手に組み合わせた。

優勝チームの岡野隼士さんは「昨年出場した先輩の想いを受け継いで優勝できたことが嬉しい。これからも郷土料理の魅力を伝えていきたい」、平川紫月さんは「試行錯誤して作ったスープが評価された。まさか優勝できるとは」と喜びを語った。将来は岡野さんがパティシエ、平川さんが栄養士を目指しているという。優勝作品は、23年秋頃に「マルちゃん」ブランドのカップ入りフリーズドライスープとして商品化される。

ほかの受賞作品は、プレゼンテーション賞は「うっっっ米!浜・中・会津味噌スープ」(福島県立あさか開成高校/ふくしまの美味しいもん広め隊)、調理技術賞は「願いよ届け!星降る☆七夕スープ」(宮城県立仙台第三高校/three☆stars)、地域貢献賞は「赤いおネギと緑のおマメ!のミネストローネ!!」(山形県立庄内農業高校/ニッコリマコちゃん)、業界紙記者賞は「気仙てんこ盛り!お茶漬けスープ」(岩手県立大船渡東高校/チームお茶漬け)。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)