アイス問屋の挑戦

冷食・アイス卸と20店舗強のスーパーなどを運営するアイスコが来月、冷食専門店「フローズンジョーズ」の1号店を川崎市にオープンする。全国の有名レストランメニューやカレー、中華、スイーツなど約350品目を品揃えし、今の冷食ブームに対応する。

▼昭和まで同社の本業はアイス専業問屋だった。町のパン・菓子店相手に隆盛を誇ったが、組織小売業の台頭とともに乳業系のメーカー販社などとの競合が厳しくなり、当時の社長が納価が白紙のままの見積書を提出したという武勇伝も。

▼多少荒っぽいところのある時代もあったが、扱いを冷食や輸入アイスなどに広げ、生鮮3品に注力したスーパーの運営を始めた10年ほど前から株式の上場を意識し、人材育成に注力して昨年ジャスダック上場を果たした。

▼往時は1次卸だけでも1千社を超えたアイス専業問屋も、今は50社程度に激減した。時代の荒波に翻弄され消えていく企業も多いが、上場という高いハードルを自ら設け、会社の体質を懸命に変えていった。その先に生まれたフローズンジョーズに期待したい。