ねばり成分が免疫向上に 明治がヨーグルトの新知見

明治は4日、【meiji New Action 002】明治が切り拓く「ヨーグルト新時代」と題し「ヨーグルトEPSによる免疫力向上/栄養素吸収促進」と「ヨーグルト乳酸菌による腸管バリア増強作用」の研究結果についての発表を、オンライン配信とあわせて行った。

専門家に慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授の伊藤裕氏、京都大学大学院農学研究科教授の菅原達也氏、順天堂大学大学院医学研究科研究基盤センター細胞機能研究室准教授の竹田和由氏を迎え、タレントの千原ジュニアさん、朝日奈央さんとトークセッションを交えてヨーグルトに含まれる乳酸菌が産生するEPSの機能について解説した。

竹田氏によればEPS(菌体外多糖)とは、乳酸菌などの微生物が発酵する過程で出るねばり成分で、乳酸菌の種類により様々な特徴を持つEPSが存在する。今回明治は、ヨーグルトの発酵過程で乳酸菌が生み出すEPSが免疫力向上に関与することを解明し、「ヨーグルトEPS」と名付けた。

なかでも同社独自の1073R-1株が生み出すEPSは免疫に幅広く機能し、2~3週間継続的に摂取することで、インフルエンザなどへの予防効果も期待できるという。松田克也社長は「EPSの研究は始まったばかりだが、まだまだ相当の可能性がある。新型コロナウイルスへの研究成果も近々公開する予定。大きく期待してほしい」と述べ、今後も研究を通し新たなヨーグルトの価値追求を加速させる構えだ。

「ヨーグルトEPS」は栄養素の吸収を高めることも明らかになり、無脂肪ヨーグルトと野菜を一緒に摂取すると生野菜よりも人参のβ-カロテンが1.8倍、トマトのリコピンが6.5倍吸収されるという。そのほかヨーグルト乳酸菌(2038株・1131株)の腸管バリア強化作用は、有害菌や有害物質が血管内に侵入するのを防ぐ機能が破壊された際の修復、改善に寄与することが分かった。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)