「マルちゃんZUBAAAN!」袋麺の売れ筋上位に 外食品質をさらに訴求 東洋水産

東洋水産の新ブランド「マルちゃんZUBAAAN!」(袋麺3食パック、希望小売価格390円・税別)が好スタートを切っている。市場データによると、4月4日に発売されて以降、ロングセラーひしめく袋麺市場で売れ筋の上位にランクインしているという。同社は「ここまでは計画通り。外食品質のおいしさが支持されているのでは」と手応えを話す。

商品コンセプトは「誰もがおうちに居ながらにして、手軽に“お店品質のあの味”を楽しめるラーメン」。フレーバーは「背脂濃厚醤油」「旨コク濃厚味噌」「にんにく旨豚醤油」の3品。新開発したノンフライ麺は熟成麺のような弾力と粘りが自慢で、フレーバーとの相性に合わせて太さを変えている。スープのクオリティが高いことも特長。ラーメン業界のトレンドを取り入れ、従来の即席麺とは一線を画すワンランク上のおいしさを追求した。

直近の販売動向は「スーパーなどでは定番棚に採用していただいたケースが多く、3品ともコンスタントに売れている」(同社)。購入者層を分析すると、商品コンセプトを反映してか、ブランド全体で既存の袋麺より若い世代の比率が高い。面白いのは「にんにく旨豚醤油」の動きだ。豚とニンニクをたっぷり効かせたインパクトの強いフレーバーだが、ほかの「背脂濃厚醤油」「旨コク濃厚味噌」に比べると男性の購入割合が明らかに高いという。「新しい袋麺ユーザーの開拓につながっている。1人では行列のラーメン店に行きづらい女性の購入も多いと見ている」(同社)。

順調な滑り出しとなった「マルちゃんZUBAAAN!」だが、同社は「ブランドを定着させるには時間がかかる」と慎重な姿勢を崩さない。今秋に向けては、新テレビCMを放映予定のほか、新たな切り口のプロモーションなどでバックアップする構え。

一方で「まずは実際に食べていただく機会を増やしたい」との想いが強い。新型コロナ感染拡大防止に配慮しながら、全国各地でサンプリングやキッチンカーを使った試食を可能な範囲で実施している。「テレビCMなどの効果でブランドの認知度は高まりつつあるが、まだまだ購入・喫食の経験率は低い。地道な活動を今後も続け、ファンやリピーターになってもらえるようにしたい。当面は3フレーバーの浸透に注力していく」と展望する。