コカ・コーラボトラーズジャパン、猛暑で過去最高レベルの出荷 一部商品倍増も部門間の連携強化と需要予測の精緻化で安定供給

 コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは12日の決算説明会で、全国的に連日の猛暑日を記録した6月最終週に飲料の出荷が過去最高レベルになったことを明らかにした。

 上期(12月期)販売数量は前年比4%増となった。

 上期について、カリン・ドラガン社長は「6月後半の猛暑による需要急増に直面したが、昨年の供給課題への対応としてS&OP(Sales and Operations Planning)プロセスの刷新に取り組んできたことが過去最大レベルの需要への柔軟な対応につながり数量成長に貢献した。販売チャネルトータルの金額シェアは対前年で0.8ポイント拡大した。当社にとって重要な自販機チャネルの金額シェア成長が全体の成長を牽引した」と振り返る。

 7月の下期滑り出しも好調を維持。6月最終週から7月第一週にかけては、一部商品の需要が倍増したという。

 ビヨン・イヴァル・ウルゲネス副社長CFOは「7月以降も需要の高まりから在庫はタイトな状況で推移しているが、欠品を最小限に抑えながら安定供給につとめている」と語る。

 S&OPとは、需要予測の向上ほか、迅速な意思決定をサポートする財務情報へのアクセス強化やコミュニケーション強化などを意味する。

 コカ・コーラボトラーズジャパンのブルース・ハーバート執行役員最高SCM責任者は「数年間にわたる継続的な取り組みとして、オペレーションのプランニングシステムの改善が大きく寄与した。需要予測がより精緻になり、意思決定も早くなった。部門間の連携や日本コカ・コーラとの連携も強化されている」と説明する。

 このようなソフト面での改善に加えて、物流倉庫の新設など物流体制の最適化に向けたハード面の取り組みも功を奏している。

 昨年2月にはコカ・コーラシステム国内最大級の保管・出荷能力を持つ自動物流センター「埼玉メガDC」が稼働。
 続いて今年7月には、大阪府と兵庫県の全域の物流を担う基幹拠点として埼玉メガDCと同規模の「明石メガDC」が稼働し、以降もさらなるサプライチェーン強化に取り組んでいくという。

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