AGFが焙煎技術を進化 ビッグデータでコーヒーのポテンシャル最適に“挽き出し”「ブレンディ」「ちょっと贅沢な珈琲店」価値向上

 味の素AGF社はコーヒーの焙煎技術を進化させて「ブレンディ」「ちょっと贅沢な珈琲店」などコーヒーの価値向上を図る。

 世界的なコーヒー需要の高まりと温暖化によるコーヒー栽培適地の減少で長期的に世界のコーヒー収穫量が大幅に減少すると予測されていることが背景。

 AGFは、希少性が高まるコーヒーの恵みを余すことなく届けることを趣旨とした「コーヒーの可能性(ポテンシャル)を挽き出した。」のキーメッセージを新たに掲げ、商品に磨きをかけていく。

 5日発表した竹内秀樹社長は「コーヒーのポテンシャルを余すことなく引き出して価値訴求できるかがポイント。そのことが企業価値向上に結びつき、企業価値向上は付加価値を高めていくことだと考えている」と述べる。

竹内秀樹社長(中央)、武岡正樹常務執行役員(左)、江村治彦リテールビジネス部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
竹内秀樹社長(中央)、武岡正樹常務執行役員(左)、江村治彦リテールビジネス部長

 武岡正樹常務執行役員は価値訴求の最大のカギは焙煎にあるとし「6年前に『T2ACMI(たくみ)焙煎』を導入して累計21万回ローストしている。その蓄積されたビッグデータを活用して、豆の種類にあわせて焙煎を最適なものにしていくという実現可能性が高まっている」と語る。

 「たくみ焙煎」は、時間帯によって焙煎温度を変えてターゲットテイストに合わせた火加減で焙煎。焙煎によって起こるコーヒー生豆の化学反応を細かくコントロールすることで、苦みや酸味のバランスを取りながら香りを最大化しデータを蓄積しながら進化し続けている。

 価値向上の一環としてエリア対応も強化の構え。

 AGFでは独自の嗜好分析調査データをもとに日本全国、地域ごとに好まれる味わいを追究している。

 「常時2000人程度を対象に飲む機会ごとにアンケートに回答していただき、どんな気分・どの温度帯で飲んだのか、もしくは何と一緒に飲んだのかといったビッグデータも蓄積している。これを活用してエリアごとにコーヒーのポテンシャルをより引き出していく」と意欲をのぞかせる。

刷新された「ちょっと贅沢な珈琲店」のインスタントコーヒー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
刷新された「ちょっと贅沢な珈琲店」のインスタントコーヒー

 この春夏に向けては、焙煎技術によって「ちょっと贅沢な珈琲店」と「ブレンディ」のインスタントコーヒーを刷新。

 これについて江村治彦リテールビジネス部長は「『ちょっと贅沢な珈琲店』は“ブラックコーヒーのおいしさを一段と進化させる”をコンセプトに全フレーバーの個性をさらに際立たせた。一方『ブレンディ』は“カフェオレをもっとおいしく”をコンセプトに、ミルクとの相性を深めるため焙煎を見直しコーヒーが持つ甘い香りをさらに引き出した」と説明する。

 レギュラーコーヒーは「ちょっと贅沢な珈琲店」のパッケージを刷新して「たくみ焙煎」の訴求を強化する。

 

 

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