不二製油グループは「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します」をビジョンに掲げ、顧客課題の解決はもちろん、人口増加や気候変動、食資源制約といった地球規模の社会課題に対しても、植物性素材の可能性を広げることで貢献する。
主要原料であるパーム、カカオ、大豆、シアカーネルでは責任のある調達方針を掲げ、生産者や地域の課題に向き合い、サステナブルなバリューチェーンの構築を推進。植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材の4つの事業領域で培った技術開発力、提案力を組み合わせ、顧客と社会の課題解決に貢献するとともに、将来にわたり豊かな食生活を支え、多様な選択肢が提供できるグループとして、持続的な企業価値向上を目指している。
中期経営計画「United for Growth2027」(25-27年)では「ガバナンスの深化」「成長領域の更なる強化」「新たな挑戦領域の確立」を基本方針に掲げ、最終27年度に事業利益450億円の達成を目指している。
25年4月の事業持株会社制への移行により、グループの一体経営をさらに強化。中計初年度の25年度は過去最高の事業利益360億円を達成、大森達司社長は「経営スピードとグローバル管理の強化が進んだ」と手応えを示す。
重点施策では、同社の強みであるチョコレート用油脂(CBE)やコンパウンドチョコレートを中心とした成長領域の競争力強化を推進。CBEの原料では、高品質でサステナブルなサプライチェーンの強化に取り組み、競争優位性を確立し、中長期的な利益成長を目指している。また、近年のカカオ価格の変動が続く中においても堅調な伸長が見込まれるコンパウンドチョコレートでは、日本を含む5拠点において増産投資を進め、供給体制の強化につなげている。
米国ブラマー社の構造改革は着実に進んでおり、基礎収益力の回復と成長戦略実行のための事業基盤整備に着手。26年下期には、カナダ工場におけるコンパウンドチョコレートの生産体制を拡充。ブラマーが持つ北米での顧客基盤と同社グループの油脂、チョコレートの技術を掛け合わせることで、北米市場における成長を加速させる。
「新たな挑戦領域の確立」では、各事業で新しい製品・技術、新しい市場や売り方による新たなビジネスを育成。油脂、チョコレート、乳化・発酵や大豆加工の技術を生かし、既存事業の枠を超えた新たな価値創出に取り組んでいる。
一例では、動物脂のようなおいしさを持つ植物性油脂ブランド「メラビオ」、熟成チーズ様素材「本熟フロマージュP」、本格的なカカオ感と溶解不要な高い可塑性を両立した柔らかいチョコレート「ソワイユショコラ」、おからを原料としたアップサイクルな機能性食品素材「ソヤセル」、植物だし「MIRA-Dashi」など、独自性の高い製品開発を進めることで、新たな市場や用途を開拓し、将来の収益の柱に育成する。

