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“平時の価格協議”支える 豆腐・納豆コスト指標 10月下旬公表へ

 豆腐・納豆各社は今春以降、イラン情勢を背景としたナフサ不足による包材高騰を受け、相次いで価格を改定した。改定前、資材費が出荷価格に占める割合は、納豆では平時の1割強から約2割まで上昇。納豆より比率の低い豆腐でも1割を超える水準に達した。包材をめぐる異例のコスト高はメディアでも大きく取り上げられ、流通側にも速やかな値上げの必要性への理解が広がった。

 ただ、このような環境は平時の価格協議とは異なる。豆腐・納豆は、商品単価に対して資材費の負担が大きいものの価格への目は厳しく、製造コスト上昇を取引価格に適切に反映し、持続的な供給につなげることが長年の課題となっている。今春のように上昇の背景が広く認知されるとは限らず、通常は個々のメーカーがその根拠を示し、取引先との価格協議につなげる必要があった。

 こうした平時の価格形成を支える仕組みとして、豆腐・納豆業界でコスト指標の策定が進んでいる。4月に全面施行された食料システム法では、合理的な費用を考慮した価格形成に向けた新たな仕組みが始動。全国納豆協同組合連合会、日本豆腐協会、全国豆腐連合会の3団体は「豆腐・納豆コスト指標作成協議会」を立ち上げ、価格協議の基礎となるコスト指標の策定を進めている。

 同協議会では現在、指標作成に向けたコスト調査とデータ収集を実施。豆腐は水入り豆腐1丁300g、納豆は50g×3パックを対象に製造コストを把握し、指標としての妥当性を検討する。策定したコスト指標は10月下旬の公表を予定している。

 この指標は、原料や資材、物流費などの変動を可視化し、メーカーと取引先が価格協議を行う際の共通の物差しとなる。コスト上昇の根拠を客観的に示すことで、個々の企業の交渉力だけに依存しない価格形成につなげる狙いがある。

 豆腐・納豆業界には全国展開する大手だけでなく、地域を基盤とする中小・小規模メーカーも多い。今春は突発的な包材高騰が価格改定を後押ししたが、コスト上昇が常態化する中、平時にもその変動を適切に取引価格へ反映できる環境づくりが重要。豆腐・納豆で初となるコスト指標の策定が、企業規模や交渉力の違いを超え、業界を支える新たな基盤として機能することが期待される。

(10月5日付本紙に「豆腐・納豆特集」)

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