ヤマザキビスケットの成型ポテトチップスブランド「チップスター」は今年、1976年1月に発売開始されてから50年の節目を迎え、近年は成型ポテトチップス市場でトップシェアを堅持し2024年以降売上は好調に推移している。今期(12月期)も好スタートを切った。
「チップスター」の名称は「ポテトチップスで人気ナンバーワンのスターになるように」 との願いを込めて、開発段階から社内で呼ばれていた愛称が由来。近年、その願いを成就させる勢いで推移している。
7月24日、取材に応じた吉原秀紀マーケティング部商品開発課課長は「今年は成型ポテトチップス市場が非常に伸びている。その中でトップシェアの『チップスター』は『定番のうすしお味』のSサイズとLサイズが成長を牽引している」と語る。
「チップスター」は、主原料のポテトフレークが生産国の干ばつなどの影響で不作となり供給制限を強いられた年を除き、発売開始以降、右肩上がりに成長を遂げている。
「チップスター」のメインユーザーは40代・50代女性。ロングセラーブランドの信頼感や安心感から生活者の中に溶け込み、食事前の小腹満たしなど手軽に喫食されていることが支持を集めている要因とみられる。
「『チップスター』は普段の暮らしのそばにあって、変わらない安心感と小さな楽しさを届けられるブランド。ふとした瞬間や少し小腹が空いた隙間時間などにおいしく食べていただける心の拠り所のような存在であることが強み」とみている。
「チップスター」は、ヤマザキビスケットの前身・ヤマザキナビスコの設立(1970年)から6年の歳月を経て、開発された。
「会社設立時、ビスケットクラッカー事業でスタートして順調な滑り出しだったところにスナックへ参入した。日本では当時、スナック市場はビスケット市場の半分程度の規模であったが、調査を行ったところ、ビスケット市場に匹敵する大きさに広がっていくことが予測された」と振り返る。
開発にあたっては、現在の飯島茂彰社長をはじめ幹部や開発担当者が米国市場を数カ所視察し、米国アイダホ産じゃがいものポテトフレークを主原材料とする成型ポテトチップスに辿り着く。
なお、発売開始からしばらくは、ポテトフレークについてはアイダホ産一択であったが、現在は、原材料の安定調達の観点から、アイダホ産をメインに他の産地のものをブレンドしている。
最終商品化には大きな壁が立ちはだかった。
「当時、海外には成形ポテトチップスがあったが、その製法はすでに特許申請がなされており、異なる方法での製造を余儀なくされた。試行錯誤の結果、開発された『チップスター』は日本初の成形ポテトチップスとして誕生した」と説明する。

うち袋には食べきれなかった分の保存に適したアルミ蒸着フィルムを使用した。
うち袋は食べ切れなかった分の保管に適している。開封・喫食後、うち袋の切れ端をねじると元に戻り戻りにくく固定化されやすい性質のため「完全密閉はできないものの、輪ゴムでとめやすく、あるいは、そのままねじって食べ切れなかった分を保存される傾向もみられる」という。
1976年1月に発売開始したのは「しお味」(現在:うすしお味)Lサイズの1品。有名女優を起用してアイダホを舞台に撮影したTVCMを放映したことも手伝い発売初年度から大ヒットとなった。
「当時の担当者の話では、物凄く売れて、生産が追い付かずかなり大変だったと聞く。それまで袋にしか入っていなかったスナックが丸筒に入っているのも相当インパクトがあったようだ」と述べる。
1978年に2品目として「のり味」(現在:のりしお味)Lサイズを発売して以降、徐々にラインアップを拡充。1979年に初のSサイズとして「チキンコンソメ味」(現在:コンソメ味)を紙箱の外装で発売。Sサイズは2001年に丸筒化された。
丸筒は発売当初、アルミメンブランシールで封をし、フタにプラスチック、底に金属を使用したコンポジット(複合)缶であったが、環境問題に配慮し1992年に丸筒の内製化に伴いオール紙製へと改良した。
発売40周年の2016年には筒をつぶしやすくするため底面にミシン目を施したユニバーサルデザインを採用。特許も取得した。
2022年には、「チップスター」の強みである練り込み技術を活かした贅沢志向の「プレミアムチップスター海老 しお味」を発売開始し、2023年にロゴとパッケージを刷新した。
2023年からは、10代・20代の若年層の開拓を目的に、女優の橋本環奈さんを起用したコミュニケーションを展開している。

