雪印メグミルクは2日、製造現場向けDXサービス「Totonoworks(トトノワークス)」の提供開始を発表した。
自社工場で培ったヒューマンエラー対策や業務改善のノウハウをサービス化したもので、作業の「確認・記録・判断」をデジタルで支援し、確認漏れや判断ミスを防ぐ。10月から乳業・食品製造業を中心に商談を始め、2027年春の本格展開を目指す。
同サービスでは、あらかじめ設定した確認項目や判定基準に沿って、作業者を次の手順へ導く。工程を一つ終えなければ次に進めない「インターロック」も備え、人の判断に依存する部分を減らす。
開発の起点は2018年。工場でのヒューマンエラーをきっかけに、従来の「人が人をチェックする」対策だけでは限界があるとして、デジタルを活用した改善に着手した。自社工場での検証では、ヒューマンエラーを100%削減したほか、ミスに伴う損失を約80%、OJT時間を約50%削減。年間約2000時間の削減効果につなげた。
アプリの導入第1弾では、ミスが発生しやすかった原料の計量・投入工程を対象とする。原料のQRコードを読み取り、原料名やロット、使用期限などを照合し、異なる原料を読み取った場合は「NG」と判定して作業者に知らせる。今後は充填・包装や品質管理などにも機能を広げる。
同サービスは、導入前の現場観察から設定、教育、運用定着、改善までを伴走支援する。堀成輝取締役常務執行役員未来づくり部長は「目指すのは単なるデジタル化や効率化ではない。現場の経験を生かし、技術・知見を世界へつなぐことで、安全・品質・生産性を両立した持続可能な職場づくりにつなげたい」と述べる。
柊拓志プロジェクトリーダー(海老名工場長)は「人の判断に依存する部分を減らし、作業者の負担を軽減できる」と説明。実際に導入した現場からは「確認を忘れていないか」と不安を抱えて帰宅することがなくなったとの声もあるという。
まずは乳業・食品製造業を中心に展開し、2027年春ごろに機能を拡充。その後、対象業種や機能を段階的に広げる。料金は初期設定費用と月額アプリ利用料で、工場の設備や工程などに応じて個別に設定する。

