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ニッスイ 部門横断でニーズ深掘り 食品・水産の共創加速 取締役執行役員食品事業執行 中野博史氏

 ニッスイは、長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」のもと、30年度に国内食品事業の売上高を21年度比50%増、2090億円に引き上げることを目指している。中野博史取締役執行役員食品事業執行は「当社の特長は、水産・日配・冷凍・常温など幅広い売場への提案機能を持っていることだ。商品開発は今期から新体制に移行し、温度帯や業態の垣根を越えてニーズを深掘りしている。食品部門と水産部門による価値共創にも注力。独自の強みを生かして成長スピードを上げていく」と話した。

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 目下の成長戦略には、①個食・簡便・健康領域の拡大②生産体制の高度化③付加価値商品の拡大――を挙げる。

 ①については「単身世帯や共働き世帯の増加もあってお客様のライフスタイルは多様化している。当社は個食・簡便を兼ね備えた冷凍食品『まんぞくプレート』や健康価値を持ったすり身加工品『速筋タンパク』で新たな需要に応えていく」と説明。

 生産体制の高度化は「北九州市に建設中の新工場(12月竣工予定)を起点に、スマートファクトリー化を推進。生産性の向上、付加価値の追求、さらには人手不足への対応を同時に実現したい。新工場で成果が得られれば他の拠点にも横展開していく」との方針。

 ③に関しては「国内は人口減で量的拡大が難しくなる可能性がある。価格ではなく価値で選ばれる商品を増やしていけるかが成長のカギになってくる」とコメント。
「これら3つを組み合わせ、原料調達、生産、物流、販売までバリューチェーン全体の強靭化につなげたい」と語った。

新たな発想で商品開発

 「E調理」で水産素材の新商品
 「E調理」で水産素材の新商品

 今期は商品開発にかかわる組織変更を実施した。生活者のニーズやウォンツを深掘りするため、新たに営業企画部が主体で市場分析や消費者インサイトの調査を行っている。

 「開発スタッフには商品を企画するだけでなく、顧客や売場の創造を意識するよう伝えている。これまで培ってきた技術力で既存品の磨き上げはもちろんのこと、売上重視とは一線を画すような発想の商品開発も進めている。27年度以降の新商品等で具体化していければ」と展望した。

 近年の好事例には業務用の「E調理」シリーズを挙げる。惣菜・産業給食・外食などの人手不足に対応することを目指した商品群で、ラインアップは30品以上に及ぶ。

 「ユーザーが求める簡単調理、コスト、メニュー展開などの実現にお役立ちできれば差別化につながる。今春からは水産と食品の両部門で共創した新商品も投入。カテゴリーの幅を広げて利用者への提供価値を高めたい」と期待を寄せる。

「おいしいものをちょっとだけ」
「おいしいものをちょっとだけ」

 一方、商品の改廃スピードが早い昨今の市場において、ロングセラーを育成するにはトライ&エラーが必要との考えも強調。「日本人の消費者ニーズは非常に多様化している。商品開発は品質・価格・ボリュームのバランスが基本だが、その見極めは非常に難しい。まずはターゲットを決め打ちしてトライすることが重要」と話す。

 過去の成功事例として、同社細物ちくわで売上No.1の「おいしいものをちょっとだけ」(13年発売)を紹介。「従来にないネーミングで高品質を訴求したが、販売が軌道に乗るまでには時間を要した。それでも『この商品はおいしいからヒットさせたい』との気持ちで社員が一致団結できていた。粘り強く取り組んだことが成果につながった」と振り返った。

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