チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム第30回記念「祝賀レセプション」が10月23日、三笠宮家の彬子さまをお迎えして都内で開催された。
ガーナ共和国のカカオ産業統括機関「Ghana Cocoa Board(ガーナ・ココアボード)」、シンポジウム学術関係者、関係省庁、各駐日大使館、関係団体、国内外の業界関係者、日本チョコレート-ココア協会の正会員、賛助会員ら約440人が参列した。

彬子さまは「シンポジウムでカカオポリフェノールの抗酸化作用により健康増進に効果があることが既に発表されていたことに驚いた。その後も、カカオの抗ストレス効果、リラックス効果など様々な研究発表がなされており、なんとなく自分が感じていたチョコレートをいただいたときの体の影響がきちんと検証され証明されていることに、シンポジウムを30年の長きにわたり継続してこられた大きなご功績を実感している」とあいさつされた。
日本チョコレート・ココア協会の八尾文二郎会長は式辞で感謝の意を表した上で「チョコレート・ココアは世界各地の食文化を彩る商品であると同時に、近年では栄養学的側面と機能性の観点から多くの注目を集めている」と語る。

チョコレート・ココアの研究は、1992年に福場博保氏(当時・お茶の水女子大学名誉教授)が「チョコレートと栄養」をテーマに講演したこと契機に本格化。
その3年後の1995年に第1回のチョコレート・ココア国際栄養シンポジウムが開かれ、医学や栄養学の研修者が集まり研究成果が発表された。
以降、毎年1回のペースで開催され、第2回目の開催では演題が一気に倍増し10講演が行われた。
初期のシンポジウムでは、チョコレートについて従来言われてきた虫歯や肥満の原因といった通説を科学的な研究によって否定した。
その一方で、がんや動脈硬化など重大疾患の予防効果やリラックス効果、脳機能に及ぼす影響といった精神面の効用など幅広い研究が進められる。
第8回から第25回にかけては、生活習慣病の予防にチョコレート-ココアがどの程度貢献するかを科学的に解明した研究発表が続き、分子レベルでの分析手法の研究も登場した。
2020年の第25回は感染症拡大によりWEBで開催。第26回からは、超高齢化社会に突入したことを背景に、チョコレート・ココアが認知機能に及ぼす効果や健康寿命延伸に関する演題が登場。今年2月に第30回が開催され、累計研究発表数は162に上る。
八尾会長は「シンポジウムでは最先端の科学的知見にもとづき、健康との関わりや栄養的価値を多面的に議論し、その成果を社会に還元することを目指してきた。これらの取り組みがチョコレート・ココア業界に携わる企業団体の皆さまの持続的な発展と消費者のより豊かな食生活の実現の一助となることを願っている」と力を込める。
消費振興の手応えについても触れる。
「1995年の第1回開催以来、日本における一人当たりのチョコレート年間消費量は1.6キロだったのが、2キロ台に達することができた。さらにこの30年間における、カカオ豆の価格高騰や物価上昇などを踏まえ、一世帯あたりのチョコレート・ココアの年間購入額については3216円から9284円へと約3倍に増加。これも皆様のひとかたならぬご尽力の賜物」と述べる。
チョコレート・ココア国際栄養シンポジウムについて、来賓挨拶で農林水産大臣政務官の保岡宏武氏は「30年にわたり、チョコレートやココアの栄養・健康に関する科学的知見の蓄積と発信を続け、国民の健康的な食生活の実現に大きく寄与してきた」と評した。
