「green cola」の初動をビッグデータで分析 発売開始後わずか1週間で金額シェアトップに浮上 味に妥協しない有糖コーラユーザー獲得

 リサーチ・アンド・イノベーションの西村まどかさんが、スマートフォンアプリ「CODE(コード)」から収集される毎月約30万人の購買データから、話題の新商品の初動をリポート。今回取り上げるのは、8月4日に全国発売されたアサヒ飲料の「green cola(グリーンコーラ)」。同商品は、植物由来の素材であるステビアとコーヒー豆由来のカフェインを使用し砂糖不使用・カロリーゼロのコーラ飲料に仕立てられている。5月12 日から1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のコンビニで限定販売していた。以下、西村さんが語る。(図表の商品名は略称含む)

 はじめに、コーラカテゴリの金額シェアの変化を確認した(図1)。「green cola」が全国発売される1週間前はコカ・コーラがトップだったが、発売後1週間で「green cola」のシェアが既存の主要ブランドを上回り、一気に首位へと浮上した。

シェアの変化
シェアの変化

 さらに「green cola」の発売後、同商品の売上金額が大きく伸長した結果、コーラカテゴリ全体の売上金額が前週比約38%増と大きな成長をみせた(図2)。このことから、既存のコーラユーザーの買い回りや購入量の増加、さらには新規ユーザーの獲得を促すなど、市場全体の拡大に貢献したと考えられる。

カテゴリ成長を牽引
カテゴリ成長を牽引

 購入者属性については、性年代構成比を確認すると、カテゴリ全体平均と比較して「男性30~50代」の割合が大きく伸長している。

 彼らがコーラカテゴリの主要ユーザーであることを踏まえると、「green cola」は「コーラならではのガツンとした甘い味わいを楽しみたいが、健康にも気を使いたい」という切実なニーズを捉え、見事に購入につなげたと言える。

 この仮説は「green cola」購入者の流入元データからも裏付けられる。流入元上位5商品を確認すると、有糖コーラからの流入が無糖コーラからの流入と同等の規模を占めている(図3)。

有糖コーラからも流入
有糖コーラからも流入

 つまり、「green cola」は日頃から無糖コーラを好むユーザーだけでなく、「満足できる無糖コーラにまだ出会えていない」有糖コーラユーザーのトライアル購入も強く喚起した商品であると言えそうだ。

 最後に購入者の口コミデータを確認すると、「ノンシュガーとは思えないほどおいしい」「優しい味。ずっとあってほしい商品」といった声が散見された。「green cola」は、「ゼロシュガー」の文言や「植物由来素材」ならではの安心感が健康志向ユーザーの購買意欲を刺激しただけでなく、実際の味わいも彼らの高い期待に応えるものであったことがうかがえる。

 「green cola」の最大の強みは、味に妥協しない「有糖コーラユーザー」からのスイッチを引き出している点にある。多くの人に愛されるコーラの「おいしさ」と「健康」を両立した本商品が、今後コーラ市場にどれだけ定着していくのか、その動向に注目したい。

関連記事

インタビュー特集